イケメン警視、アルバイトで雇った恋人役を溺愛する。
2.私の仕事は〝恋人役〟
お見合いがあった次の日。今日も朝から講義があり、大学生の私は大学に向かい、琳を発見してはとっ捕まえた。昨日のお見合い代行バイトの報告をするためだ。
それなのに、一向に話が始まらない。
「ほんっとうに私って強運の持ち主よね!! あの席のチケットが取れたなんて人生でそうそうないものね!! あぁ~もうカッコよくて最っっ高だったわ!」
「あの、報告」
「目の前に来てこっちに向かってウィンクしてくれたのよ!! 手も振ってくれたの!! あ~もう一生忘れられないわ!!」
「琳」
「あ、何々?」
おい、何々じゃないわ。昨日は本当に大変だったんだから。それなのにこの子はだいぶ楽しんだみたいね。私を利用して。まぁ50万もらえるんだからありがたいけど。
「昨日、ちゃんと断ってきたよ。と言っても、相手の方も最初から断るつもりだったみたいだけど」
「あ、そう? よかった。ホテルの料理、美味しかったでしょ。あそこパパのお気に入りなのよ」
「へぇ~」
うん、確かに美味しかった。ここは天国かと疑ってしまうくらいに。しかも最後には金箔まで出てきちゃったんだから。でも、金箔だけフォークで取って食べてみたけど味はしなかった。相手に笑われて恥ずかしかったけれど。
一生に一度の体験をさせてもらえたのは私も一緒だった。