イケメン警視、アルバイトで雇った恋人役を溺愛する。

 支払いは湊さんで、向こうで待ってろと追いやられてしまった。一体いくらになったのかと気になったけれど、レシートは見せてもらえなかった。


「行くぞ」

「あ、はい」


 今日一日、ずっと手を繋いでいた。買い物をする時も、カフェに行く時も、そして今スーパーで買い物をする時も。温かくて大きな手でだいぶ緊張してしまったけれど、その緊張はスーパーに寄った頃には少しやわらいでいた気がする。


「じゃあ、またな」

「あ、はい、ありがとうございました」

「いや、いい。それよりも、ちゃんと食えよ」

「は、はい、ありがとうございます」

「あぁ、おやすみ」

「おやすみなさい」


 彼の車を見送りつつ、私は玄関に入った。

 今日は、いつもと違って初めての事がありすぎて頭がキャパオーバーしている気もするけれど……


「牛肉、どうするか……」


 こんな高い牛肉を貧乏な私が料理して一人で食べてしまってもいいのだろうか。何だかもったいない気もするけれど……牛丼? 玉ねぎもあるし。

 結局牛丼になり、私は至福のひとときを過ごすことが出来たのだった。
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