イケメン警視、アルバイトで雇った恋人役を溺愛する。
4.揺れる想い
着実に近づいてくる、アルバイト期間終了日。それと同時に、私の疲労感は増えていった。いや、疲労感、というよりは……
「ねぇ瑠奈、アンタ大丈夫?」
「……大丈夫じゃ、ない」
「もしかしなくても彼氏でしょ」
まぁ、バレバレよね……
あれから一週間、一度も会っていないけれど、電話やメッセージが来るたびに反応してしまう。意識している、とはこの事を言うんでしょうね……今だって、電話が終わって力が抜けたようにしゃがみこんでしまった。近くにいた琳に心配されてしまったけれど……面目ない。
だって、誰かを家の泊めるのも嫌で、寝室入るだけでガチギレって同僚さん達が言っていたくせに、泊まっていいと言ってくるし、更には二人で仲良くベッドときた。
さすがにこれは冗談では片づけられない。
お泊まりだって、同僚さん達の目の前だったからその手を使ったのだろうけれど、同僚さん達が帰った後で帰せばいいし、寝落ちしても叩き起こして送ればいいだけの事。もし起きなかったら、ソファーに転がせておけばいい。それなのに、しなかった。
どういう事なんだ、と聞きたいところではあるけれど、あいにくと聞く度胸なんてものを私は持ち合わせていない。
はぁ、どうしたらいいんだろう……と、悩み続けてこうなっているわけだけど。
そして、その矢先にさっきの電話。
『ディナーデート、行くぞ』
こんなお誘いをいきなり提案されれば、今の私の脳内は驚愕と焦りで大混乱状態。だって、会うのは1週間ぶりなんだから。
けれど、それと同時に不安も出てくる。私はしょせんアルバイト。仕事に私情を持ってきては、ちゃんと仕事が出来ない。ここまで何事もなかったのに、今更何かをやらかせば契約違反となってしまう。それは絶対にダメだ。
これは、これだけは絶対に知られないように……