幽霊姫は止まれない!
てっきり絵本で見たような黒いローブのお婆さん姿なのかと思っていた私は、つい疑いの眼差しを向けてしまう。そんな私の視線に気付いたのだろう。
「それは総称。そうね、ローザと呼んでくれるかしら? 私の髪は薔薇のように赤いから」
くす、と笑みを溢しながらそう言ったローザが手をパチンと叩くと、一輪の薔薇がどこかから現れ、そしてパッと花開いた。
「嘘、手品みたいだわ!」
「手品だもの」
「手品なの!?」
驚く私の髪にそっとその薔薇を挿してくれた魔女・ローザは、その姿以上に妖艶な笑みを浮かべて私の頬をそっと指先でなぞるように撫でる。
「何もないところから花を出すなんて、手品に決まっているでしょう? 子猫ちゃん」
「こ、子猫ちゃん……!」
フッと笑う彼女に思わずごくりと唾を呑んだ。一瞬彼女の雰囲気に流されそうになるが、気にするべき点はそこではない。
(なるほど。花を出した方法は手品、ということね)
その含みのある言い方からして、花を〝開かせた〟部分は魔力で行ったということなのだろう。流石魔女と呼ばれる一族だ。教え方もオスキャルと違いスマートである。
「それは総称。そうね、ローザと呼んでくれるかしら? 私の髪は薔薇のように赤いから」
くす、と笑みを溢しながらそう言ったローザが手をパチンと叩くと、一輪の薔薇がどこかから現れ、そしてパッと花開いた。
「嘘、手品みたいだわ!」
「手品だもの」
「手品なの!?」
驚く私の髪にそっとその薔薇を挿してくれた魔女・ローザは、その姿以上に妖艶な笑みを浮かべて私の頬をそっと指先でなぞるように撫でる。
「何もないところから花を出すなんて、手品に決まっているでしょう? 子猫ちゃん」
「こ、子猫ちゃん……!」
フッと笑う彼女に思わずごくりと唾を呑んだ。一瞬彼女の雰囲気に流されそうになるが、気にするべき点はそこではない。
(なるほど。花を出した方法は手品、ということね)
その含みのある言い方からして、花を〝開かせた〟部分は魔力で行ったということなのだろう。流石魔女と呼ばれる一族だ。教え方もオスキャルと違いスマートである。