幽霊姫は止まれない!
「次は圧勝するために、よ! 悪い!?」
「悪くはありませんが」
 歯切れ悪くそう言うオスキャルの口元がによによと動いているのを見てますますふて腐れた気持ちになる。

「何よ! 今更こんなこと、おかしいと思ってるの!? それともあれだけ自信満々だったのにこんな結果になって愚かだとでも!?」
「言ってません、言ってませんって!」
 悔しさと苛立ちのままオスキャルの脇腹をつねろうと試みるが、オーラを使うまでもなく彼の筋肉で効果はないようだった。
 その事にぷくりと頬を膨らませた私に告げられたのは、考えてもみなかった一言。

「ただその、知ろうと思って貰えるのは嬉しいな、と」
「……嬉しい?」
(何も知らないことを怒るじゃなく?)
 こんなに毎日顔を付き合わせても何も知らないんだな、と言われるかと思っていたし、実際私自身がそう思ったのだが、どうやらオスキャルはそう思わなかったらしい。
 そしてそれと同時に、なんだか私も釣られて少し嬉しくなる。

「いいわ、次こそ絶対勝ってみせるから! 第二回オスキャルクイズはパワーアップさせていくわよ!」
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