幽霊姫は止まれない!
「薬を再度作る算段があったから譲り、そしてその結果材料が手に入らず治療が間に合わなかった。だからその毒草を焼き払う命令をくだした王家を恨んでいる、ということですか」
「私の前に現れたのも、結果的に薬を奪った私のことを恨んでいたから?」
「それはわからないわ。でも本当に聖女まで恨んでいたならもっと別の方法をとったと思うから、恩を返せくらいじゃないかな、とは思うけど」
 だが本当のことはわからない。もしかしたら聖女もろとも恨み、この一本の薬を取り合うように仕向けたかった可能性もある。

「まぁ、この三か月という短期間でお兄様と聖女に特別な感情が生まれるとは思えないけど」
「あら! それは人間の発想じゃない?」
< 380 / 570 >

この作品をシェア

pagetop