幽霊姫は止まれない!
 そんなにすぐ相手がいるかはわからないけれど、そこの相談は父と兄に任せればいい。
 国を回すふたりに、国のカードの私の未来を決めて貰うのは至極当然のことに思えたのだ。きっと半分以上はただの現実逃避というやつだろうが、それでも、未来は同じだと知っている。

「私は国のためになる誰かへと嫁いでこの国から出ていく末の姫だもの」

 その独り言がいつもより大きく部屋に響く。
 それは誰かに、いや、自分自身に言い聞かせるような、そんな言葉だった。
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