わけありくんを護ります
イヤな静けさ

メッセージ再び



ノイズの声を聞いた日から、私から比江島くんの近くにいくことが増えた。

私が手を怪我した時の比江島くんみたいに。
さすがにお風呂とかまでは行かないけど。

教室にいても、寮の部屋にいても……全然落ち着かなくて。
比江島くんと少し距離があっても、視界にはいれるようにしたりしても、比江島くんが言う『怖い顔』がもっと怖さをましているような気がする。

起きてる時は常に警戒していて、寮のお風呂も行水(ぎょうずい)になっているし。

寝る時、目をつむれば頭の中で、外や学校、寮のありとあらゆる場所でヨイヤミの子が来てもいいよう、シュミレーションしながら寝つく。

ってことをしばらく続けて身構えていたわりに、特に何もなく日々が過ぎていっている。

「あの……俺が言うのもなんですけど、少し肩の力抜きませんか?」

休みの日、シュミレーションを続け起きない私に、横から比江島くんがそう言った。

力を抜いた瞬間に来たら、それこそ思うつぼじゃない。
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