わけありくんを護ります
生徒会室
四六時中
1日の中で色んなことがあったからか、同じ部屋に男の子がいるのさえ気にならないほど、ぐっすり眠れた。
起きた時、線をはさんだ向こうの比江島くんも安心したのか、平和そうな寝顔を拝見した私。
──今日から四方八方に気を配らないといけないから、気をひきしめないと。
安全ノートの内容はだいたい頭に入ってるっていう比江島くんから、『お役立てください』とノートを預かった。
昨日も目を通したけど、土地勘も分かっていない私は、すやすやと眠る依頼主の顔を見つつ、もう一度読むことに。
本当……こわいこわいって泣きそうなわりに、ちゃんと集まってる。
この安全ノートは、自分を追う不良くん達からの回避のためって言ってたけど……
それだけなのか、と感じずにはいられない。
【信じるな。疑うことを覚えろ】って仲の良い友達と遊んでいる時でさえ、言われてきたからか、疑うを通り越して、不信感しか抱かないようになってる。クセって怖いよね。
パタン、とノートを閉じると、
「ん、ん……」
「あ、おはよう」
「おはようござい……女の子?」
「何寝ぼけてるの。依頼主くん」
手探りで眼鏡を探しやっと視点があったのか、比江島くんはちゃんと目が覚めたようで。