わけありくんを護ります

──比江島くんと並んで座れば、竹森くんにお茶までいれてもらっちゃった。

向かいに竹森くん、その周りを2人がわーわー言いながらさわいでいる。

「……ちょっとうるさいけど、聞きたいことがあるなら、俺でよければ答えるよ」

なんとさわやかな笑顔なんだろ。
見た目だけなら、比江島くんに近しいものを感じるけど、 ここにいるってことは……相当強いって意味だし。
この笑顔にだまされないようにしよ。

「じゃあ、ここに来てからずっと気になってたんだけど──なんで3人とも、そんなに傷だらけなの?」
『っ!』

私の質問に、3人とも静止した。

顔や手にそれぞれ手当てはしてあって、その理由を最初に聞きたいくらいだったこと。
それなりに強い人が、けっこうなぼろぼろさなんだもん。


……さて、どんな答えが待ってるのかな。
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