わけありくんを護ります

そのせいで後ろに隠れている比江島くんが、ひゃっと声をもらす。


「純粋に強い人ってどんな人なんだろうなっていう、好奇心……ってとこかな。来たばかりで知らないことが沢山あるから」

にこり、理由を伝え微笑むと、松野くんは顔を赤らめた。

「こ、好奇心でへぼっちい奴が来てんじゃ……来るなよっ」
「おやおや?マツくん、言い方変えたね?女の子に口悪く言わないために!」
「うるせ!」
「もう怖くなった!」

梅木くんが松野くんに、ちょっかいをかけているのをながめていると、竹森くんがこちらにやってきた。

「ま、とりあえず座ったら?ずっと立ち話もあれだしさ」
「あ、じゃあ……」

ぐい。
またも比江島くんに引かれる。
帰りましょう、って言いたいんだろうけど、まだノートに記してあったことを確認したまでに過ぎない。
私は何か新しい情報が欲しいの。
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