【プロット】フィギュアスケーターが彼女に捧げる四回転ルッツ(仮)
プロット
春。暗い部屋でひとりでテレビを見ている夢華。
男性フィギュアスケーター、空翔が映る。世界大会で優勝したという。
ジャンプをほめられていて、秘訣は? と尋ねられる。
転んだらすぐ立ちあがる、と思って、思い切って跳びます、という。
衝撃を受ける夢華。
夏。夢華、スケート場でバイトで働き、フィギュアスケーターの練習を見る。
かつてフィギュアスケーターに憧れていた。経済的に無理だった。有名フィギュアスケーターを見かける。最近は不調だと噂されている。
彼の「転んだらすぐ立ち上がる」という言葉で自分も立ち上がれた、とお礼を言う。仕事をやめてから落ち込んで引きこもっていたが、それで前を向いてバイトとはいえ働きに出ることができた、と。
「だけどそれ、本当は自分の言葉じゃないんだよ。先輩フィギュアスケーターが言ってて、俺も真似しただけ」と彼は茶目っ気を含ませて笑う。
休憩時間にリンクを眺める。四回転ルッツに挑戦している。彼が真摯に練習している姿に目が離せない。
見つめていると、目が合ってにこっと笑顔をむけられる。
ときめいてしまい、年下なのに、と思う。
彼に「先に帰るよ」と声をかけている女性がいる。
練習を終えた彼に、お茶しよう、と誘われて行く。
ジャンプが不調だったのに、あなたにほめられて今日は好調だった、とお礼を言われる。
二十五歳ではフィギュアではベテランとしてもう引退を考える年齢だと言われて複雑な気持ちになる。二十九歳の自分はどうなるんだ、と考えてしまう。選手と同じに考えるのは失礼かもしれないのに。
この歳で新しいジャンプに挑戦とか笑われることもあるんだ、と言われて、笑う人たちに憤慨する夢華。
年齢なんて関係ない、と言いたいところだけど、やっぱり関係するよね。だけど限界を超えたいんだ。そう言う彼が眩しい。彼の力になりたいと思う。
翌日、仕事を終えたあと、空翔に頼まれてスマホでジャンプの撮影をする。踏切が悪いな、とか一緒にスマホを見て話す。いろいろ質問して、彼がジャンプのことを教えてくれる。踏切のタイミングも大事なんだよ、とか。思い切って跳んだほうがいいとか。
彼がリンクに戻ったとき、彼のコーチが夢華に文句を言う。彼が練習に集中できなくなる、邪魔だ、と。
土曜日、たまたま以前の職場の人たち、歌世子、浩奈、美穂の三人がスケートリンクに来て、夢華をバカにする。
夢華は前の職場をいじめにあって退職していた。
空翔が現れて夢華と仲良く話す。
その様子を見た彼女らが、紹介しなさいよ、今度一緒にお茶したいから誘え、と言い出す。断る夢華。
彼のファンに彼と話す様子を見られて陰口を叩かれる夢華。
歌世子はネットに上げるために空翔の練習風景を撮影して彼のコーチに注意されていた。
スケート場に夢華の態度が悪かった、というクレームが入る。たぶん歌世子たちだと思うが、証拠はない。
翌日、身の程をわきまえなさいよ、と歌世子が夢華に言いに来る。
練習に来た空翔が歌世子を追い返す。
しょんぼりしていると空翔がなぐさめてくれる。
「誹謗中傷なんてしょっちゅうなんだよ。選手同士は仲良くしててもファンが対立しちゃうこともあって、悲しいよ」とか話してもらう。「あいつらのサンドバックになってやる必要なんてないんだ」と言われる。
人をサンドバックにして悪意を研ぎ澄ませたその先にあるのはなんだろう、と思う夢華。
気分転換に一緒に滑ろう、と誘われて滑る。トップスケーターと一緒に滑るなんて一生の記念だ、とうれしく思う。アイスダンスの技をふたりでやってみる。失敗して笑い合う。
それを歌世子たちに見られていた。嫉妬する歌世子。
空翔のファンに接触する。一緒にあの女を成敗しよう、ともちかける。
後日、夢華に切れてる靴紐のスケート靴を渡されたとか、破れた靴を渡されたとかスケート場にクレームが入る。
そんなことはないはずなのに、と思いながら責任者に謝る夢華。
クレームが多発するなんて問題がある人だ、と責任者に思われる。
さらに、空翔のコーチから彼に近づくな、と言われる。君のせいでサポートの美羽ちゃんもこなくなっちゃったじゃないか、とか言われる。
美羽はなにものなのだろう、彼の恋人なのだろうか。それなら自分はまったくもって邪魔していただけになる、と落ち込む。
空翔と距離を置く。
よそよそしくなった、と彼から不満を言われる。
大会が近いみたいだから、しばらく会わないでおこう、と彼に言う。
わかった、大会が終わったらまた会ってくれ、と言われる。
仕事をやめてしまおうかと悩む夢華。逃げるばかりだ、と自分を責める。
彼がジャンプの練習をしている。転んでばかり。
また美羽が来るようになる。
初秋。勤め先のスケート場で小さめの大会があり、彼女も出勤する。
空翔も出場する大会だった。シーズンが始まる前に演技の完成度を確認するために出場するらしい。会場は彼のファンがつめかけて満員。
初日のショートは首位だった。
翌日のフリー演技の日。空翔はスマホを見てばかりでコーチに注意をされる。んー、と生返事をする彼は、しばらくして「見つけた!」と叫ぶ。
試合開始。挑戦的に新しいジャンプを入れたのでうまくいかず、転んでばかりの彼。転んでも立ち上がる姿に、応援するように拍手がわく。
なんども立ち上がる彼に、「転んでも立ち上がる」と自分に言い聞かせる。限界を超えたいと言っていた彼。自分も限界を超えられるだろうか。
彼はすごい。自分は本当の意味で立ち上がれていない気がする。
なにがあれば立ち上がったことになるだろうか。それはどんなタイミングなのだろうか。
大会終了後、歌世子たちと鉢合わせ、またいじわるを言われて、すくむ。
転んでも立ち上がる彼の姿が頭をよぎる。
今だ、と思う。脳裏にジャンプに踏切る彼の姿が浮かぶ。
今が自分もジャンプをするときだ。思い切って跳ぶときだ。
彼女らに震えながら言い返す。自分の限界を超えるために。
生意気、と怒る彼女たち。
そこへ大会を終えた彼が現れる。大会が終わったから会いに来た、と夢華に言う。
あなたたちのSNS、炎上してるよ、と彼は歌世子に指摘する。
靴のひも切って嫌がらせしてやる、と言っている動画が流出している。
空翔は、彼女らならネットに上げているのではないかと思って動画を探していた。
実際は彼女らはネットに上げていなかったが、歌世子が接触したファンに味方のつもりで動画を送ったら「空翔のファンとしてこの人のやったことを許せない、練習しているスケート場の迷惑になることをするなんて」と世間にさらし、むしろ歌世子が炎上したのだ。
炎上したばかりで、歌世子はまだ気付かずにスケート場に来ていた。
「スケート場の人たちにも見せた。被害届を出すって言ってたから、君たちは警察に捕まるよ」と空翔に言われて逃げ出す。
「この場から逃げても警察からは逃げられないのにね」と彼は笑う。悪意の先には自滅しかない、と思う夢華。
「あなたがいろいろ質問してくれるから、基礎を見直すきっかけになって良かった」と彼は言う。邪魔になっていたと思っていた彼女は驚く。
私が練習の邪魔をしたから、と小さくなる彼女に、「そんな自己管理できないやつだと思われてる?」と聞かれる。
「大会の直前にジャンプがあまりに跳べなかったとき、あなたが僕の言葉に勇気をもらったという言葉に、僕のほうが勇気をもらった。あなたの前でみっともない自分をみせたくなくて、だから頑張れた、次の大会も応援に来て」と言われる。必ず行くと約束する。
コーチが現れてふたりが会っていることに文句を言う。
「彼女と会うことを制限されるならスケートをやめる。それくらい彼女が大切だ」と彼は言う。コーチはしぶしぶ承諾する。そのかわり次の大会では勝てよ、と。
もちろんだ、と請け合う彼。
美羽が妹だとわかる。
真相を知ったスケート場の責任者からは、怒って悪かった、と謝られた。
まるでトリプルアクセルが決まったような気分で帰る夢華。
次の大会は世界シリーズ戦の初戦で日本大会。
彼は挑戦した4回転ルッツジャンプを入れて優勝する。
演技あとのインタビューでは、大切な人が支えてくれたから跳べました、という。
優勝後のバンケットに特別に入れてもらえる。
僕の大切な人です、と紹介されてほかの選手にニヤニヤされる。コーチからは、「前回の大会のあと空翔のジャンプがよくなった、君のおかげだ」と言われて、現金だなあ、と思う。
スケートを支えるチームスタッフの一員になってくれないか、と誘われる。
バルコニーに出て空翔から愛を告白される。
美しい星空の下、キス。
終
男性フィギュアスケーター、空翔が映る。世界大会で優勝したという。
ジャンプをほめられていて、秘訣は? と尋ねられる。
転んだらすぐ立ちあがる、と思って、思い切って跳びます、という。
衝撃を受ける夢華。
夏。夢華、スケート場でバイトで働き、フィギュアスケーターの練習を見る。
かつてフィギュアスケーターに憧れていた。経済的に無理だった。有名フィギュアスケーターを見かける。最近は不調だと噂されている。
彼の「転んだらすぐ立ち上がる」という言葉で自分も立ち上がれた、とお礼を言う。仕事をやめてから落ち込んで引きこもっていたが、それで前を向いてバイトとはいえ働きに出ることができた、と。
「だけどそれ、本当は自分の言葉じゃないんだよ。先輩フィギュアスケーターが言ってて、俺も真似しただけ」と彼は茶目っ気を含ませて笑う。
休憩時間にリンクを眺める。四回転ルッツに挑戦している。彼が真摯に練習している姿に目が離せない。
見つめていると、目が合ってにこっと笑顔をむけられる。
ときめいてしまい、年下なのに、と思う。
彼に「先に帰るよ」と声をかけている女性がいる。
練習を終えた彼に、お茶しよう、と誘われて行く。
ジャンプが不調だったのに、あなたにほめられて今日は好調だった、とお礼を言われる。
二十五歳ではフィギュアではベテランとしてもう引退を考える年齢だと言われて複雑な気持ちになる。二十九歳の自分はどうなるんだ、と考えてしまう。選手と同じに考えるのは失礼かもしれないのに。
この歳で新しいジャンプに挑戦とか笑われることもあるんだ、と言われて、笑う人たちに憤慨する夢華。
年齢なんて関係ない、と言いたいところだけど、やっぱり関係するよね。だけど限界を超えたいんだ。そう言う彼が眩しい。彼の力になりたいと思う。
翌日、仕事を終えたあと、空翔に頼まれてスマホでジャンプの撮影をする。踏切が悪いな、とか一緒にスマホを見て話す。いろいろ質問して、彼がジャンプのことを教えてくれる。踏切のタイミングも大事なんだよ、とか。思い切って跳んだほうがいいとか。
彼がリンクに戻ったとき、彼のコーチが夢華に文句を言う。彼が練習に集中できなくなる、邪魔だ、と。
土曜日、たまたま以前の職場の人たち、歌世子、浩奈、美穂の三人がスケートリンクに来て、夢華をバカにする。
夢華は前の職場をいじめにあって退職していた。
空翔が現れて夢華と仲良く話す。
その様子を見た彼女らが、紹介しなさいよ、今度一緒にお茶したいから誘え、と言い出す。断る夢華。
彼のファンに彼と話す様子を見られて陰口を叩かれる夢華。
歌世子はネットに上げるために空翔の練習風景を撮影して彼のコーチに注意されていた。
スケート場に夢華の態度が悪かった、というクレームが入る。たぶん歌世子たちだと思うが、証拠はない。
翌日、身の程をわきまえなさいよ、と歌世子が夢華に言いに来る。
練習に来た空翔が歌世子を追い返す。
しょんぼりしていると空翔がなぐさめてくれる。
「誹謗中傷なんてしょっちゅうなんだよ。選手同士は仲良くしててもファンが対立しちゃうこともあって、悲しいよ」とか話してもらう。「あいつらのサンドバックになってやる必要なんてないんだ」と言われる。
人をサンドバックにして悪意を研ぎ澄ませたその先にあるのはなんだろう、と思う夢華。
気分転換に一緒に滑ろう、と誘われて滑る。トップスケーターと一緒に滑るなんて一生の記念だ、とうれしく思う。アイスダンスの技をふたりでやってみる。失敗して笑い合う。
それを歌世子たちに見られていた。嫉妬する歌世子。
空翔のファンに接触する。一緒にあの女を成敗しよう、ともちかける。
後日、夢華に切れてる靴紐のスケート靴を渡されたとか、破れた靴を渡されたとかスケート場にクレームが入る。
そんなことはないはずなのに、と思いながら責任者に謝る夢華。
クレームが多発するなんて問題がある人だ、と責任者に思われる。
さらに、空翔のコーチから彼に近づくな、と言われる。君のせいでサポートの美羽ちゃんもこなくなっちゃったじゃないか、とか言われる。
美羽はなにものなのだろう、彼の恋人なのだろうか。それなら自分はまったくもって邪魔していただけになる、と落ち込む。
空翔と距離を置く。
よそよそしくなった、と彼から不満を言われる。
大会が近いみたいだから、しばらく会わないでおこう、と彼に言う。
わかった、大会が終わったらまた会ってくれ、と言われる。
仕事をやめてしまおうかと悩む夢華。逃げるばかりだ、と自分を責める。
彼がジャンプの練習をしている。転んでばかり。
また美羽が来るようになる。
初秋。勤め先のスケート場で小さめの大会があり、彼女も出勤する。
空翔も出場する大会だった。シーズンが始まる前に演技の完成度を確認するために出場するらしい。会場は彼のファンがつめかけて満員。
初日のショートは首位だった。
翌日のフリー演技の日。空翔はスマホを見てばかりでコーチに注意をされる。んー、と生返事をする彼は、しばらくして「見つけた!」と叫ぶ。
試合開始。挑戦的に新しいジャンプを入れたのでうまくいかず、転んでばかりの彼。転んでも立ち上がる姿に、応援するように拍手がわく。
なんども立ち上がる彼に、「転んでも立ち上がる」と自分に言い聞かせる。限界を超えたいと言っていた彼。自分も限界を超えられるだろうか。
彼はすごい。自分は本当の意味で立ち上がれていない気がする。
なにがあれば立ち上がったことになるだろうか。それはどんなタイミングなのだろうか。
大会終了後、歌世子たちと鉢合わせ、またいじわるを言われて、すくむ。
転んでも立ち上がる彼の姿が頭をよぎる。
今だ、と思う。脳裏にジャンプに踏切る彼の姿が浮かぶ。
今が自分もジャンプをするときだ。思い切って跳ぶときだ。
彼女らに震えながら言い返す。自分の限界を超えるために。
生意気、と怒る彼女たち。
そこへ大会を終えた彼が現れる。大会が終わったから会いに来た、と夢華に言う。
あなたたちのSNS、炎上してるよ、と彼は歌世子に指摘する。
靴のひも切って嫌がらせしてやる、と言っている動画が流出している。
空翔は、彼女らならネットに上げているのではないかと思って動画を探していた。
実際は彼女らはネットに上げていなかったが、歌世子が接触したファンに味方のつもりで動画を送ったら「空翔のファンとしてこの人のやったことを許せない、練習しているスケート場の迷惑になることをするなんて」と世間にさらし、むしろ歌世子が炎上したのだ。
炎上したばかりで、歌世子はまだ気付かずにスケート場に来ていた。
「スケート場の人たちにも見せた。被害届を出すって言ってたから、君たちは警察に捕まるよ」と空翔に言われて逃げ出す。
「この場から逃げても警察からは逃げられないのにね」と彼は笑う。悪意の先には自滅しかない、と思う夢華。
「あなたがいろいろ質問してくれるから、基礎を見直すきっかけになって良かった」と彼は言う。邪魔になっていたと思っていた彼女は驚く。
私が練習の邪魔をしたから、と小さくなる彼女に、「そんな自己管理できないやつだと思われてる?」と聞かれる。
「大会の直前にジャンプがあまりに跳べなかったとき、あなたが僕の言葉に勇気をもらったという言葉に、僕のほうが勇気をもらった。あなたの前でみっともない自分をみせたくなくて、だから頑張れた、次の大会も応援に来て」と言われる。必ず行くと約束する。
コーチが現れてふたりが会っていることに文句を言う。
「彼女と会うことを制限されるならスケートをやめる。それくらい彼女が大切だ」と彼は言う。コーチはしぶしぶ承諾する。そのかわり次の大会では勝てよ、と。
もちろんだ、と請け合う彼。
美羽が妹だとわかる。
真相を知ったスケート場の責任者からは、怒って悪かった、と謝られた。
まるでトリプルアクセルが決まったような気分で帰る夢華。
次の大会は世界シリーズ戦の初戦で日本大会。
彼は挑戦した4回転ルッツジャンプを入れて優勝する。
演技あとのインタビューでは、大切な人が支えてくれたから跳べました、という。
優勝後のバンケットに特別に入れてもらえる。
僕の大切な人です、と紹介されてほかの選手にニヤニヤされる。コーチからは、「前回の大会のあと空翔のジャンプがよくなった、君のおかげだ」と言われて、現金だなあ、と思う。
スケートを支えるチームスタッフの一員になってくれないか、と誘われる。
バルコニーに出て空翔から愛を告白される。
美しい星空の下、キス。
終


