裏社会の私と表社会の貴方との境界線
日常が変わる
『カレン、貴女はそのままでいいのよ。何があっても大丈夫。でもいつか…』
ピピピ、ピピピ。
アラーム音のようなよく響く音が聞こえる。
ハッ!
「昔の…夢?朝…か」
起きたばかりだというのに、息切れしている。
夢を見ていただけでで息切れをするなんて、私もまだまだだ。
初めまして、私は雨晴華恋。
特徴は少しくるくるしているロングの紫色の髪と瞳、キリッとした目。
そして、私は裏社会のトップグループである雨晴ファミリーのマフィア。
私は雨晴の人間であり、3つ子の弟と妹がいて4人家族。
「さ、今日も予定があるしさっさと支度しましょ」
自分に言い聞かせるようにそう言って、ベッドから軽やかに降りた。
いつものお気に入りの洋服を着て、髪をとかして金髪のウィッグを被る。
ウィッグを被るのは、妹の瑠璃華と後ろ姿が似ているので、間違えられないようにするため。
髪色が同じだからね。
ふぅ…と一息ついてから食事をしにいこうと椅子を立つ。
その瞬間、バンッ!と勢いよく部屋の扉が開かれた。
そこには紫色の髪をツインテールにしている、とてもかわいらしい女の子が立っていた。
その女の子はこちらへ足音も立てずに走ってくる。
これは、マフィアの特徴のひとつである。
けれど、動じずに私はいつものように話す。
「瑠璃華、毎日言ってるでしょ?朝から騒々しくするのをやめてって。頭が痛くなるのよ」
そう、彼女は雨晴瑠璃華。
私の実の妹であり、3つ子の次女である。
もちろん年齢は私と同じ17歳だ。
瑠璃華はぺろっと舌を出して、軽く謝ってきた。
「えへへ、ごめんなさーい。明日からはドアの外で待つよぅ」
私がいつも以上に強く言ったのが効いたのか、素直に言うことを聞いてくれた。
いつもは「いいじゃーん」とか言って言うこと聞かないくせに…。
本当かな?と怪しんで瑠璃華をみていると、さらに金髪の男の子が入ってきた。
そして、男の子はあきれたように言う。
「華恋姉は甘すぎるよ。瑠璃華姉、さっき廊下走っていろんな人にぶつかりそうだったんだよ?」
瑠璃華は「やば!」と小声で言う。
それを、私は逃さず聞いていた。
もう我慢ならない!
「瑠璃華!!あれほど言ってるでしょ?雨晴の人間だからって周りに迷惑かけていいわけじゃないって!!また羅華の言うこと聞かなかったのね!?」
羅華というのはさっき私の部屋に入ってきた金髪の男の子であり、3つ子の末っ子である。
そして普段は羅華に瑠璃華の面倒を頼んでいるのだけれど、全く話を聞いてくれないから困っている。
本当にどうしたらいいものか。
「ごめんってば〜」
いつものように呑気に謝ってくる。
反省した姿を見せない瑠璃華に、私は普段聞かないことを聞いてみた。
「瑠璃華は普段私より早く起きているでしょう?何をしてるの?」
「ええ〜っと。いつも朝起きたらお姉ちゃんの部屋に来て寝顔見てる!」
きゃははっと笑い出したので本気か聞いてみると、「やだな〜。冗談だよぅ」という。
いつも思うが、瑠璃華のきゃははという笑い方はちょっと不気味である。
何が冗談で本気なんだかいまだに分からない。
それから、そういえばと羅華が思い出したように言う。
「今日って華恋姉予定あるんじゃなかった?それで今日は任務には出ないって昨日言ってたような…」
私は羅華の言葉を聞いて顔をしかめた。
「あいつらに呼び出されたのよ。また、どうせろくなことじゃない」
私の言葉を聞いて分かったのか、瑠璃華と羅華も嫌そうな顔をした。
当然“あいつら”というのが誰かよく知っている。
「私もあいつらきらーい!同じ組織なのも嫌なのに、婚約までさせられるし!!予定だけどさ…でも納得いかない!」
「同感。俺も嫌だな。なんていうか、あの人達何考えてるか分からないとこあるしさ…」
みんな同じ意見で、たまに愚痴を言い合ったりもする。
「仕方がないでしょ、ファミリーでいったら私達がトップだけど、組織でいったらあいつらの方が上なわけだし…」
私がそう言うと、瑠璃華も羅華も黙ってしまった。
あなた達にも説明してあげる。
私達の世界には2大組織と呼ばれている、ふたつの大組織が存在するの。
裏社会は「ナイトメア」で関わった事件は悪夢のように消え、迷宮入りするという意味でつけられたの。
表社会は「スカイブルー」で彼らが担当する事件は必ず解決して、未来が空のように輝くという意味でつけられたらしいの。
私達とあいつら…暗殺一家メア家がトップであるナイトメアと、92人の名探偵が所属するスカイブルーは常日頃敵対している。
そして私は今日、メア家にお呼び出しされたってわけ。
メア家の方がトップである以上、断れないから本当に最悪。
裏社会で重要なのは、才能と上下関係だから。
「時間指定はされてないけど、早く来いって言われてるから急いで朝ごはんを食べましょう?ほら!瑠璃華も羅華もそんなに暗い顔しないの〜!」
メア家の話をすると暗い顔をするので、いつも私が元気づけている。
私の言葉に瑠璃華も羅華も頷いた。
「そうだね!早く行こっ!朝ごはん〜。あっ!そうだ…」
瑠璃華が控え気味に言う。
「あのさ…。今日お姉ちゃんメア家に行くんでしょ?その…私も行っちゃダメ、かな…?」
私はその言葉にとても驚いた。だって…。
「えっ?でも、瑠璃華はメア家の奴にいろいろ言われるし、会いたくないっていつも言ってるのに…行くの?」
「うぅ〜行くもん!お姉ちゃんのこと危険に合わせられない!ねっ!羅華くんも行くよね?」
こんなに姉想いの妹をもったことを、改めて感謝した。
そして意外なことに、羅華も来てくれることになった。
私は涙目になりながら、心から感謝の気持ちをを伝えた。
「瑠璃華、羅華。本当にありがとう。でも無理はしないこと。約束だよっ?」
2人は素直にうなずいてくれた。
それほどメア家は厄介な相手なのだ。
その後、私達は朝ごはんを食べた後に支度をして門の前に集まった。
メア家に向かっている間も、私達の間には“恐怖”があり、あまり余裕がなかった。
けれど、ふたりがいるというだけで私の気持ちはとても軽くなった。
10分ほど歩き、メア家の門の前に着いた。
そこにはおそらく案内役として来たであろう男性が立っていた。
「お待ちしておりました、雨晴華恋様。サク様がいつものお部屋でお待ちです」
そう言っていつもの部屋に案内してくれた。
部屋に着き、男性がドアをノックする。
コンコン。
「雨晴華恋様がお越しになりました」
「入って」
落ち着いた男性の声が、扉の奥から聞こえた。
ああ、やっぱり私を呼び出したのはあの男なんだということを悟った。
中に入ると白っぽい金髪の髪に少し垂れている金色の目が特徴の、神秘的な男の子が窓の前に立っていた。
「来てくれてありがとう華恋。今日は珍しく瑠璃華と羅華も一緒なんだね?」
そう言われて、私達の間に緊張が走る。
彼の名前はサク・メアという。
メア家の長男であり、表社会では第1王子である。
「いきなり呼んで何の用?それほど重要なことなんでしょう?」
少しピリピリした空気の中私が聞くと、いつもの気持ちのない笑みを浮かべて言う。
「我々メア家と真聖家の血を受け継いだ奴が、スカイブルー所属の探偵にいるという情報が入った」
「はっ…?いやいや!なんで有名暗殺一家と有名探偵一家の両家の血を受け継いだ奴がいるのさ!?おかしいでしょ!」
瑠璃華が声を荒げる。
それには私も同感である。
裏社会の人間と表社会の人間は結ばれてはいけないはずなのに…。
「僕も全く同感だよ。でも、嘘かも知れない。そんなことは誰にも分からない」
遠回しに回りくどく言うので、私はいら立った。
「…それで?私にどうしてほしいわけ?潜入調査でもしてこいって?」
サクがふふっと笑う。
意味がわからない。
サクはいつもそうだ。
その態度がいつも気に入らない。
「その通り、でも今の態度は気に入らないな」
なんだかムカムカしてきた。
気に入らないってなによ、こいつと話すの本当に嫌!!
「気に入らないって何?それと、どうして私が潜入調査なんか!適任はあんた達でしょ?」
「それが気に入らない。婚約者に向かって…」
婚約者という言葉が私は嫌いだ。
こんな奴嫌いなのに…。
「だから、あんたなんか選ばないから!言っとくけど、瑠璃華も巻き込まないでよ!」
「お姉ちゃん…」
その時、ガチャっとドアが開いた。
部屋に入ってきたのは、6人の男の子。
「うるさい」
「賑やかなの俺は好きだけどな〜」
「兄さん、なんでそんなに呑気なの?」
「そんなんいつもだろ」
「僕の存在忘れてない?!」
「ちょっと、兄さん達静かにしよう?」
騒がしいメンバーが部屋に入ってきた。
なんでこいつらが?!
ピピピ、ピピピ。
アラーム音のようなよく響く音が聞こえる。
ハッ!
「昔の…夢?朝…か」
起きたばかりだというのに、息切れしている。
夢を見ていただけでで息切れをするなんて、私もまだまだだ。
初めまして、私は雨晴華恋。
特徴は少しくるくるしているロングの紫色の髪と瞳、キリッとした目。
そして、私は裏社会のトップグループである雨晴ファミリーのマフィア。
私は雨晴の人間であり、3つ子の弟と妹がいて4人家族。
「さ、今日も予定があるしさっさと支度しましょ」
自分に言い聞かせるようにそう言って、ベッドから軽やかに降りた。
いつものお気に入りの洋服を着て、髪をとかして金髪のウィッグを被る。
ウィッグを被るのは、妹の瑠璃華と後ろ姿が似ているので、間違えられないようにするため。
髪色が同じだからね。
ふぅ…と一息ついてから食事をしにいこうと椅子を立つ。
その瞬間、バンッ!と勢いよく部屋の扉が開かれた。
そこには紫色の髪をツインテールにしている、とてもかわいらしい女の子が立っていた。
その女の子はこちらへ足音も立てずに走ってくる。
これは、マフィアの特徴のひとつである。
けれど、動じずに私はいつものように話す。
「瑠璃華、毎日言ってるでしょ?朝から騒々しくするのをやめてって。頭が痛くなるのよ」
そう、彼女は雨晴瑠璃華。
私の実の妹であり、3つ子の次女である。
もちろん年齢は私と同じ17歳だ。
瑠璃華はぺろっと舌を出して、軽く謝ってきた。
「えへへ、ごめんなさーい。明日からはドアの外で待つよぅ」
私がいつも以上に強く言ったのが効いたのか、素直に言うことを聞いてくれた。
いつもは「いいじゃーん」とか言って言うこと聞かないくせに…。
本当かな?と怪しんで瑠璃華をみていると、さらに金髪の男の子が入ってきた。
そして、男の子はあきれたように言う。
「華恋姉は甘すぎるよ。瑠璃華姉、さっき廊下走っていろんな人にぶつかりそうだったんだよ?」
瑠璃華は「やば!」と小声で言う。
それを、私は逃さず聞いていた。
もう我慢ならない!
「瑠璃華!!あれほど言ってるでしょ?雨晴の人間だからって周りに迷惑かけていいわけじゃないって!!また羅華の言うこと聞かなかったのね!?」
羅華というのはさっき私の部屋に入ってきた金髪の男の子であり、3つ子の末っ子である。
そして普段は羅華に瑠璃華の面倒を頼んでいるのだけれど、全く話を聞いてくれないから困っている。
本当にどうしたらいいものか。
「ごめんってば〜」
いつものように呑気に謝ってくる。
反省した姿を見せない瑠璃華に、私は普段聞かないことを聞いてみた。
「瑠璃華は普段私より早く起きているでしょう?何をしてるの?」
「ええ〜っと。いつも朝起きたらお姉ちゃんの部屋に来て寝顔見てる!」
きゃははっと笑い出したので本気か聞いてみると、「やだな〜。冗談だよぅ」という。
いつも思うが、瑠璃華のきゃははという笑い方はちょっと不気味である。
何が冗談で本気なんだかいまだに分からない。
それから、そういえばと羅華が思い出したように言う。
「今日って華恋姉予定あるんじゃなかった?それで今日は任務には出ないって昨日言ってたような…」
私は羅華の言葉を聞いて顔をしかめた。
「あいつらに呼び出されたのよ。また、どうせろくなことじゃない」
私の言葉を聞いて分かったのか、瑠璃華と羅華も嫌そうな顔をした。
当然“あいつら”というのが誰かよく知っている。
「私もあいつらきらーい!同じ組織なのも嫌なのに、婚約までさせられるし!!予定だけどさ…でも納得いかない!」
「同感。俺も嫌だな。なんていうか、あの人達何考えてるか分からないとこあるしさ…」
みんな同じ意見で、たまに愚痴を言い合ったりもする。
「仕方がないでしょ、ファミリーでいったら私達がトップだけど、組織でいったらあいつらの方が上なわけだし…」
私がそう言うと、瑠璃華も羅華も黙ってしまった。
あなた達にも説明してあげる。
私達の世界には2大組織と呼ばれている、ふたつの大組織が存在するの。
裏社会は「ナイトメア」で関わった事件は悪夢のように消え、迷宮入りするという意味でつけられたの。
表社会は「スカイブルー」で彼らが担当する事件は必ず解決して、未来が空のように輝くという意味でつけられたらしいの。
私達とあいつら…暗殺一家メア家がトップであるナイトメアと、92人の名探偵が所属するスカイブルーは常日頃敵対している。
そして私は今日、メア家にお呼び出しされたってわけ。
メア家の方がトップである以上、断れないから本当に最悪。
裏社会で重要なのは、才能と上下関係だから。
「時間指定はされてないけど、早く来いって言われてるから急いで朝ごはんを食べましょう?ほら!瑠璃華も羅華もそんなに暗い顔しないの〜!」
メア家の話をすると暗い顔をするので、いつも私が元気づけている。
私の言葉に瑠璃華も羅華も頷いた。
「そうだね!早く行こっ!朝ごはん〜。あっ!そうだ…」
瑠璃華が控え気味に言う。
「あのさ…。今日お姉ちゃんメア家に行くんでしょ?その…私も行っちゃダメ、かな…?」
私はその言葉にとても驚いた。だって…。
「えっ?でも、瑠璃華はメア家の奴にいろいろ言われるし、会いたくないっていつも言ってるのに…行くの?」
「うぅ〜行くもん!お姉ちゃんのこと危険に合わせられない!ねっ!羅華くんも行くよね?」
こんなに姉想いの妹をもったことを、改めて感謝した。
そして意外なことに、羅華も来てくれることになった。
私は涙目になりながら、心から感謝の気持ちをを伝えた。
「瑠璃華、羅華。本当にありがとう。でも無理はしないこと。約束だよっ?」
2人は素直にうなずいてくれた。
それほどメア家は厄介な相手なのだ。
その後、私達は朝ごはんを食べた後に支度をして門の前に集まった。
メア家に向かっている間も、私達の間には“恐怖”があり、あまり余裕がなかった。
けれど、ふたりがいるというだけで私の気持ちはとても軽くなった。
10分ほど歩き、メア家の門の前に着いた。
そこにはおそらく案内役として来たであろう男性が立っていた。
「お待ちしておりました、雨晴華恋様。サク様がいつものお部屋でお待ちです」
そう言っていつもの部屋に案内してくれた。
部屋に着き、男性がドアをノックする。
コンコン。
「雨晴華恋様がお越しになりました」
「入って」
落ち着いた男性の声が、扉の奥から聞こえた。
ああ、やっぱり私を呼び出したのはあの男なんだということを悟った。
中に入ると白っぽい金髪の髪に少し垂れている金色の目が特徴の、神秘的な男の子が窓の前に立っていた。
「来てくれてありがとう華恋。今日は珍しく瑠璃華と羅華も一緒なんだね?」
そう言われて、私達の間に緊張が走る。
彼の名前はサク・メアという。
メア家の長男であり、表社会では第1王子である。
「いきなり呼んで何の用?それほど重要なことなんでしょう?」
少しピリピリした空気の中私が聞くと、いつもの気持ちのない笑みを浮かべて言う。
「我々メア家と真聖家の血を受け継いだ奴が、スカイブルー所属の探偵にいるという情報が入った」
「はっ…?いやいや!なんで有名暗殺一家と有名探偵一家の両家の血を受け継いだ奴がいるのさ!?おかしいでしょ!」
瑠璃華が声を荒げる。
それには私も同感である。
裏社会の人間と表社会の人間は結ばれてはいけないはずなのに…。
「僕も全く同感だよ。でも、嘘かも知れない。そんなことは誰にも分からない」
遠回しに回りくどく言うので、私はいら立った。
「…それで?私にどうしてほしいわけ?潜入調査でもしてこいって?」
サクがふふっと笑う。
意味がわからない。
サクはいつもそうだ。
その態度がいつも気に入らない。
「その通り、でも今の態度は気に入らないな」
なんだかムカムカしてきた。
気に入らないってなによ、こいつと話すの本当に嫌!!
「気に入らないって何?それと、どうして私が潜入調査なんか!適任はあんた達でしょ?」
「それが気に入らない。婚約者に向かって…」
婚約者という言葉が私は嫌いだ。
こんな奴嫌いなのに…。
「だから、あんたなんか選ばないから!言っとくけど、瑠璃華も巻き込まないでよ!」
「お姉ちゃん…」
その時、ガチャっとドアが開いた。
部屋に入ってきたのは、6人の男の子。
「うるさい」
「賑やかなの俺は好きだけどな〜」
「兄さん、なんでそんなに呑気なの?」
「そんなんいつもだろ」
「僕の存在忘れてない?!」
「ちょっと、兄さん達静かにしよう?」
騒がしいメンバーが部屋に入ってきた。
なんでこいつらが?!