裏社会の私と表社会の貴方との境界線
作戦内容
『まず、計画に参加する方を確認します。カレン様、レイ様、斗亜様、琉愛様、レオ様、ツキ様、ユウ様、千智様、紺凪様の計9名ですね?』
「ええ、合っているわ」
『それでは詳細な計画をお伝えいたします。3日後、我々はナイトメア本家に行きます。おそらく、サク様達は我々の計画に勘づいておられます。ですから、奇襲をかけたところですでに対策済みと考えたほうがいいでしょう』
この計画を立てているのは、神々トップ10に入るレイであることを忘れてはいけない。
天界では、噂は光の速さで広がっている。
サクはシルヴァそのものであり、天界を行き来できるのだから気がついていてもおかしくはない。
つまり、先手を取ることは不可能ということだ。
私たちは圧倒的不利な位置にいる。
ただ、それを唯一くつがえせる希望を持っているのがレイの存在だ。
作戦に勘づかれるのは仕方のないことなんだ。
「そうね。でも、私達はやらなくてはならないから」
『…そうですね。そして、それぞれの動きについてです。まずはカレン様。貴女様はサク様の元へ一直線に向かってください。サク様が狙っているのはカレン様ですから』
私への異様な執着を利用するということなのだろう。
嫌な予感はぬぐえないが、仕方がない。
「わかったわ。ちなみに、私は誰かと一緒に行動したりはしないの?」
『いたところで邪魔になる気はしますが、斗亜様と一緒にいてください。これは裏社会と表社会の戦争を終わらせるものでもあります。ですので、ふたりが同じ空間にいてもらわねば困りますので』
「なるほどね、わかったわ」
『レイ様は全体の指示をいたします。魔道具を直前にお持ちしますので、連絡を取り合いレイ様に報告するよう皆様にもお伝えください』
電波を発生させずに連絡の取れる魔道具を使う気だろう。
名前は覚えていないけれど、たしかそんなすごく有能なものがあったはず。
指揮官がひとりいてくれた方が、ハプニングがあった時にも対応できるだろう。
特にそれがレイとなれば安心だ。
『そして、琉愛様とレオ様はリオ様のところへ行ってほしいのです』
「やはりリオはこちら側にはつかなかったのね?」
『はい、そのようです』
予想はしていたが、そうよね。
リオはたまに話をするくらいだったけど、“どっちにつけば自分にとっておいしいか”しか考えていないのはわかっている。
『といっても、リオ様は正確にはどちらにもついていないのです』
「え?どういうこと…?」
『リオ様はサク様を裏切ることも考えているようです』
「裏切り?!」
リオの性格がねじ曲がっているのは知ってたけれど、まさかそんなことまで考えているなんて。
リオはサクに勝てると思っている、ということなのだろうか。
まさかね。
そう思っていると、レラが言った。
『リオ様がこちらにつく可能性は十分にあります。それは、おそらくこちらの勝利が目に見えた時でしょう』
「…なるほどね。リオは私達の情報をほとんど持っていないわけね。それでどちらにつくか迷っている、と」
『その通りです。我々の情報はレイ様が管理しているゆえ、簡単にもれたりはしません』
自信満々に言うレラに苦笑いした。
まあでも、その通りだ。
レイは私なんかよりも、よっぽど情報戦にはたけているのだから。
『同じナイトメアのレオ様がいれば、説得できる可能性もあるかと』
「それで今回のペアなわけね」
『はい、そうです。そして、千智様と紺凪様はレン様のほうに向かってほしいです。しかし、おそらくサク様とレン様はご一緒におられると思われます』
「そうでしょうね。あのふたりを引き離すのは無理に近いわ」
常に一緒にいるふたりが、こんな大事な時に離れるとは思わない。
一緒にいないとしたら、それは作戦のひとつなのだろう。
『その通りです。そこで千智様と紺凪様には、レン様の気をそらしていただきたい』
「いい案ね。ふたりにはそう伝えておくわ」
これは文句なしの作戦。
『はい、よろしくお願いします。それと、最後にツキ様とユウ様ですが。おふたりは自由行動ということで、もし助けが必要なところがあれば駆けつけていただきたいのです』
「ま、フリーな人材がいた方がいいわよね。わかったわ。そのようにみんなには伝えておくわ。ご苦労様」
私は立ち上がってレラに笑いかけた。
『それでは、私はここで失礼します。ご健闘を祈ります』
一礼をして、レラは去っていった。
「ええ、合っているわ」
『それでは詳細な計画をお伝えいたします。3日後、我々はナイトメア本家に行きます。おそらく、サク様達は我々の計画に勘づいておられます。ですから、奇襲をかけたところですでに対策済みと考えたほうがいいでしょう』
この計画を立てているのは、神々トップ10に入るレイであることを忘れてはいけない。
天界では、噂は光の速さで広がっている。
サクはシルヴァそのものであり、天界を行き来できるのだから気がついていてもおかしくはない。
つまり、先手を取ることは不可能ということだ。
私たちは圧倒的不利な位置にいる。
ただ、それを唯一くつがえせる希望を持っているのがレイの存在だ。
作戦に勘づかれるのは仕方のないことなんだ。
「そうね。でも、私達はやらなくてはならないから」
『…そうですね。そして、それぞれの動きについてです。まずはカレン様。貴女様はサク様の元へ一直線に向かってください。サク様が狙っているのはカレン様ですから』
私への異様な執着を利用するということなのだろう。
嫌な予感はぬぐえないが、仕方がない。
「わかったわ。ちなみに、私は誰かと一緒に行動したりはしないの?」
『いたところで邪魔になる気はしますが、斗亜様と一緒にいてください。これは裏社会と表社会の戦争を終わらせるものでもあります。ですので、ふたりが同じ空間にいてもらわねば困りますので』
「なるほどね、わかったわ」
『レイ様は全体の指示をいたします。魔道具を直前にお持ちしますので、連絡を取り合いレイ様に報告するよう皆様にもお伝えください』
電波を発生させずに連絡の取れる魔道具を使う気だろう。
名前は覚えていないけれど、たしかそんなすごく有能なものがあったはず。
指揮官がひとりいてくれた方が、ハプニングがあった時にも対応できるだろう。
特にそれがレイとなれば安心だ。
『そして、琉愛様とレオ様はリオ様のところへ行ってほしいのです』
「やはりリオはこちら側にはつかなかったのね?」
『はい、そのようです』
予想はしていたが、そうよね。
リオはたまに話をするくらいだったけど、“どっちにつけば自分にとっておいしいか”しか考えていないのはわかっている。
『といっても、リオ様は正確にはどちらにもついていないのです』
「え?どういうこと…?」
『リオ様はサク様を裏切ることも考えているようです』
「裏切り?!」
リオの性格がねじ曲がっているのは知ってたけれど、まさかそんなことまで考えているなんて。
リオはサクに勝てると思っている、ということなのだろうか。
まさかね。
そう思っていると、レラが言った。
『リオ様がこちらにつく可能性は十分にあります。それは、おそらくこちらの勝利が目に見えた時でしょう』
「…なるほどね。リオは私達の情報をほとんど持っていないわけね。それでどちらにつくか迷っている、と」
『その通りです。我々の情報はレイ様が管理しているゆえ、簡単にもれたりはしません』
自信満々に言うレラに苦笑いした。
まあでも、その通りだ。
レイは私なんかよりも、よっぽど情報戦にはたけているのだから。
『同じナイトメアのレオ様がいれば、説得できる可能性もあるかと』
「それで今回のペアなわけね」
『はい、そうです。そして、千智様と紺凪様はレン様のほうに向かってほしいです。しかし、おそらくサク様とレン様はご一緒におられると思われます』
「そうでしょうね。あのふたりを引き離すのは無理に近いわ」
常に一緒にいるふたりが、こんな大事な時に離れるとは思わない。
一緒にいないとしたら、それは作戦のひとつなのだろう。
『その通りです。そこで千智様と紺凪様には、レン様の気をそらしていただきたい』
「いい案ね。ふたりにはそう伝えておくわ」
これは文句なしの作戦。
『はい、よろしくお願いします。それと、最後にツキ様とユウ様ですが。おふたりは自由行動ということで、もし助けが必要なところがあれば駆けつけていただきたいのです』
「ま、フリーな人材がいた方がいいわよね。わかったわ。そのようにみんなには伝えておくわ。ご苦労様」
私は立ち上がってレラに笑いかけた。
『それでは、私はここで失礼します。ご健闘を祈ります』
一礼をして、レラは去っていった。