ヴァンパイアに狙われています!〜運命は危険な出会い〜
「まずい状況というのは?」


「…」


言っていい事か迷っているのか、口ごもってしまった。


相当やばい人達なのかな?


それから、一颯さんは決心したように口を開いた。


「…その2人は、千秋(ちあき)家の双子だ。王家の側近の中でも名家で、橙李と界李は伊織(いおり)様の側近だ」


「え?!」


「い、伊織さん?誰ですか?」


華恋ちゃんも知っている人なのかな?


王家とか名家とかも、よく分からない。


でも、理解していないのは私だけみたいで、みんな険しい顔をしていた。


「伊織様は、王家では1番強くて次期魔王って言われてる方なんだよね」


「そ、それってどういう…」


彩鈴ちゃんは続きを答えない。


いや、正確に言えば“これ以上答えたくない”のだろう。
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