離婚を前提にお付き合いしてください ~私を溺愛するハイスぺ夫は偽りの愛妻家でした~
ストーカー被害の件がきっかけになったのは言うまでもない。あの頃の美鈴は随分と憔悴していて、美鈴らしさを失いかねない状態だった。そうでなかったとしても、いずれ自分で行動を起こし、どこか遠くで人生を再スタートさせていただろう。
このままでは美鈴を失ってしまうと千博はひどく焦った。理想の人がいなくなっては困るとプロポーズを強行し、美鈴を手に入れたのだ。
専業主婦を強く求めていたわけではないが、どこでも生きていける強さと魅力を持った彼女が外に出れば、自分が置いていかれるような気がして、千博から退職を勧めた。
口では『落ち着いたら、また仕事を見つければいい』などと言いながら、彼女から選択肢を奪ったのだ。
そして今、塾の仕事を楽しそうに語る美鈴を見て、美鈴を自分の理想に縛り付けていたのだといたく実感している。
美鈴にも幸せを与えているから問題ないなどと言っていたが、所詮小さな鳥かごの中の幸せに過ぎなかったのだ。
理想を追い求める偽物が本物と人生を共に歩もうなどと考えてはいけなかった。
千博は今さらながら美鈴の貴重な時を奪ったことを後悔している。
手嶋の芯を捉えた言葉に、千博はなぜだか胸の痛みを覚えていた。
「それでも、美鈴ちゃんを選んだことに意味があると思うけどな」
最後につぶやかれた手嶋の言葉は、美鈴のことを考えていた千博の耳には届かなかった。
このままでは美鈴を失ってしまうと千博はひどく焦った。理想の人がいなくなっては困るとプロポーズを強行し、美鈴を手に入れたのだ。
専業主婦を強く求めていたわけではないが、どこでも生きていける強さと魅力を持った彼女が外に出れば、自分が置いていかれるような気がして、千博から退職を勧めた。
口では『落ち着いたら、また仕事を見つければいい』などと言いながら、彼女から選択肢を奪ったのだ。
そして今、塾の仕事を楽しそうに語る美鈴を見て、美鈴を自分の理想に縛り付けていたのだといたく実感している。
美鈴にも幸せを与えているから問題ないなどと言っていたが、所詮小さな鳥かごの中の幸せに過ぎなかったのだ。
理想を追い求める偽物が本物と人生を共に歩もうなどと考えてはいけなかった。
千博は今さらながら美鈴の貴重な時を奪ったことを後悔している。
手嶋の芯を捉えた言葉に、千博はなぜだか胸の痛みを覚えていた。
「それでも、美鈴ちゃんを選んだことに意味があると思うけどな」
最後につぶやかれた手嶋の言葉は、美鈴のことを考えていた千博の耳には届かなかった。