離婚を前提にお付き合いしてください ~私を溺愛するハイスぺ夫は偽りの愛妻家でした~
 トラブルが起きたのは交際から半年ほどが経った頃のこと。美鈴を思わぬ事態が襲った。

 受付として対応した訪問客が美鈴に執着し、ストーカーになってしまったのだ。

 用もないのに美鈴の前にたびたび姿を現し、何も言わずに去っていく。時には贈り物と称して、受付に菓子やら服飾品やらを置いていく。

 警察に相談しても、決定的な被害に遭っているわけではないから、積極的には動いてくれない。会社は一応事情を酌んでくれてはいるものの、いつ現れるかわからない相手に対して明確な対応をすることは難しかった。

 人と話すことが好きだったはずなのに、受付に座るのも苦痛になってきて、美鈴は日に日に病んでいった。

 会社の外では千博ができるかぎり守ってくれたけれど、それでも誰かに付きまとわれる恐怖は消えはしなかった。
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