はるけき きみに  ー 彼方より -
 あたりは夕闇が迫っていた。
 その上空はまだ昼間のようだった。まだらな雲が太陽を受けて輝いていた。そして洋々と流れていた。

 上と下でちぐはぐな光景にも思えた。

 ふと、地区会長の言葉がよみがえった。

「戦さなどごめんです。我々は米を作って平和に暮らしたい、それだけなのです。それ以上何を望むものがあるでしょうか」

 陽気に騒ぐ農民たちも目に浮かぶ。
 つかの間の祭りを楽しんで、また明日から土まみれになって生活の糧を作っていくのだろう。

 その手前で微笑んでいる人がいる。
 慈しんでくれた父丹波だった。
 そして幼いころに別れた母の姿だった。

 この空の下で、いったい何が起こっていくのだろう。
 そしてどうなっていくのだろう。

 胸を押さえて、じっと目を閉じた。
















  




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この物語を読んでくださってありがとうございます。 ◆ ◆ ◆ 以下、主要な経過を書き出しました。 歳の交換でアーロンが49歳から30歳になった事情 : [衝撃の出来事] P.119~ 歳の交換後、若くなったアーロンを受け入れた執事やリズの心情・違和感 : [前途に向けて] P.382~ この国の成り立ち、三大豪族の子孫であるアーロン (三大豪族とはグリンドラ家、ハインツ家、レブロン家) それゆえ彼を新国王に推すシュテルツの心情・言葉 : [前途に向けて] P.387

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