はるけき きみに  ー 彼方より -
「ようこそおいで下さいました」
 徳兵衛が丁寧に頭を下げた。

 包囲網が解けて石川らが中に入った。

「この非常時に駆け付けてくれましたこと、礼を申し上げます」
「徳兵衛殿、先ほどの銃は見事でした。傭兵が腰を抜かしておりましたぞ」

「いや、今回はうまくいっただけの話で・・」
 意外に浮かない顔をしている。
「支度は万全と思っていたのですが、なにせ南蛮渡来の銃です。その種類もいろいろあって、実際に使ってみると扱いが難しく・・」
「え?」
「実を申せば、あの最初の一発はなんとかうまく撃てたという次第でして」
 笑っているが情けない色が滲んでいる。

「実のところを申しましょう。銃はある、十分数を揃えているのです。だがそれを使いこなせるかと言ったら心もとないのです」
「それはいったいどういう・・」

「銃は鹿島と戦う切り札になると思っていました。しかしその扱いが極めて難しいのです。射撃手は数名いるのです。だが南蛮から渡ってきた銃は多種多様で初めて見る機種も多いのです」

 彼らは、高額で雇うという条件につられ安易にやって来たのだ。
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