きみと私の恋のみち〜想いを伝えたい〜
すると綾香が声を上げた。「でもまじめな羽音愛のこと、絶対好きだって‼自信もちなよね。」そんなこと、ある?ていうかよく考えてみるとこれって恋心じゃない気がするし。「でも、私、月音くんが好きじゃないかもしれないし・・・っ」「・・・・やっぱり大真面目な羽音愛の恋路はさだまらないねぇ・・・」美桜がゆっくりと言葉を紡いだ。
「そ、そういう美桜はどうなのっ?」「えっ、私?私、は・・・・」美桜はちょと言葉に詰まった後、顔を赤らめて・・・・「す、好きな人はいるけど・・・・」と、小さくいった。その言葉に綾香が食いつく!「えっ、誰?」話の流れは完全的に美桜の話題になり、私の話はどこかに飛んで行ってしまった。
ふうっ・・・私は心の中でため息を吐き出した。やっぱりみんなにはついていけないよ!私は紅茶に口を付ける。
すると美桜も紅茶に口をつけて、紅茶の入ったアンティークのティーカップで手を温めながらぽつりと、言った。
「でもその人はね、もう彼女いるんだって。友達が言っていた。」その様子があまりにも悲しそうだったから、思わず声を挙げた。「え、そうなの?でも美桜かわいいしすぐに彼氏できるでしょ。まあ、その人の代わりになる人なんていないかもだけど。」
「そうだね・・・そうだね・・・そうだよね・・・・やっとつっかえていた気持ちが話せたよ。やっぱりもつべきものはともだよね。 」柔らかな笑みを浮かべてそう言う。
ちりんちりん・・・カフェの扉についていたベルのかわいらしい音が、新たなお客さんが来たことを知らせたと思うと、にぎやか・・・いやもう、うるさいぐらいの笑い声が聞こえてきた。女子中学生特有の笑い声に反射的にそちらに顔を向ける。
それは、香波さんとその取り巻きの子たちだった。なんとなく気まずくて、顔をうつむけると、綾香がたずねてきた。「どうしたの?体調、悪い?」私は黙って香波さんたちのグループを小さく指さした。「あちゃ~、香波たちじゃん。うーわ。気づかれないようにしようっと。みんなも気を付けてよ。」目が合ったらいやだけどすごく気になってちらりと目をやる。
香波さんたちは、なにが面白いのか甲高い笑い声をあげていた。そしてアイスティーにミルクを混ぜてストローで氷を吸い寄せたり、離したり。そして、ストローからくちびるを離して、声を挙げた。
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