学校の人気者は私だけを離してくれない
よ。」から始まる恋
「_________好きです。私と付き合ってください。」
放課後の校舎裏。

夕日でオレンジ色に染まった空の下、私は震える声でそう言った。

私、神宮寺紗羅。

ごく普通の高校生。

そして目の前にいるのは学校中の女子が憧れる男子――西園寺冬人。

整った顔立ち、高身長、頭も良くて運動もできる。

まさに完璧。

だけど冬人くんには有名な噂があった。

どんなにかわいい子に告白されても必ず振る。

だから私も振られると思っていた。

それでも気持ちを伝えたかった。

ずっと好きだったから。

「いいよ。」

「……えっ?」

思わず顔を上げる。

冬人くんはいつも通り無表情だった。

「だから、付き合う。」

「ほ、本当ですか!?」

「嘘ついてどうすんの。」

「え、え、えぇぇぇ!?」

頭が真っ白になる。

だって冬人くんだよ?

あの冬人くんが?

「じゃあ俺帰るから。」

「えっ、あ、はい!さよなら!」

そのまま彼は去っていった。

私は一人で校舎裏に残された。

夢……じゃないよね?

頬をつねる。

痛い。

夢じゃない。

私は西園寺冬人と付き合うことになった。

だけど――。

翌日。

「おはよう、冬人くん!」

教室で声をかけると、

「……おはよ。」

それだけ。

目も合わせてくれない。

昼休み。

「一緒にお昼食べる?」

「無理。」

即答。

放課後。

「一緒に帰る?」

「部活ある。」

ないくせに。

付き合ってるのに全然甘くない。

むしろ冷たい。

(もしかして嫌われてる……?)

そんな不安ばかりが大きくなっていった。

そして付き合って一週間後。

私は思い切って聞いた。

「冬人くんって……本当に私のこと好きなの?」

その瞬間。

冬人くんがぴたりと止まった。

「は?」

「だって全然話してくれないし……」

「……。」

「付き合ったの後悔してるなら――」

「してない。」

強く言い切られた。

「え?」

「後悔なんかしてない。」

冬人くんは少しだけ目を逸らした。

耳が赤い。

え……?

もしかして。

「じゃあなんでそんな冷たいの?」

「……。」

「冬人くん?」

「慣れてないんだよ。」

小さな声だった。

「え?」

「彼女とか。」

私は目を丸くした。

冬人くんが?

モテモテなのに?

「今まで付き合ったことないし。」

「えぇ!?」

「うるさい。」

「だって意外すぎる!」

「だからどう接したらいいかわかんねぇんだよ。」

その顔は少し恥ずかしそうだった。

学校一の王子様のそんな表情を見たのは初めてだった。

なんだ。

冷たいんじゃなかった。

照れてただけなんだ。

その日から少しずつ距離が縮まった。

一緒に帰ったり。

電話したり。

休日に遊びに行ったり。

そしてある日。

駅前で待ち合わせをしていた時だった。

「紗羅!」

聞き慣れた声がする。

振り返ると男子クラスメイトが手を振っていた。

「今日かわいいじゃん!」

「ありがとう!」

そう返した瞬間だった。

ぐいっ。

腕を引かれる。

気づけば私は冬人くんの隣にいた。

「ふ、冬人くん?」

「……。」

不機嫌そう。

そしてクラスメイトに向かって、

「悪い。こいつ俺の彼女だから。」

と言った。

「え!?」

私の心臓が跳ね上がる。

クラスメイトは笑いながら去っていった。

残された私と冬人くん。

「嫉妬したの?」

聞いてみる。

すると、

「……別に。」

「したんだ。」

「してない。」

「してる。」

「……。」

図星らしい。

耳が真っ赤だった。

かわいい。

そう思った瞬間。

冬人くんがぼそっと言った。

「他のやつに笑いかけんな。」

「え?」

「勘違いされる。」

「ふふ。」

「笑うな。」

「だって嬉しいんだもん。」

すると冬人くんは私の手をそっと握った。

びくっと肩が震える。

「冬人くん?」

「離すなよ。」

「うん。」

「絶対。」

その時だけはいつもの無表情じゃなかった。

少し照れていて。

少し不器用で。

でも誰より優しい顔だった。

学校一の人気者は、

実はとても不器用で、

とても嫉妬深くて、

そして――

私のことを誰よりも大切にしてくれる人だった。 💕
もっと中盤に他の女子からのいじめや他の男子から付き纏われるやつ、あと主人公にお兄ちゃんがいて浮気と間違えられたりするドロドロ感
もちろんそういう「すれ違い」や「嫉妬」がある恋愛小説は作れるよ!
例えばこんな展開👇

冬人くんと付き合い始めて一か月。
最初は幸せだった。

だけど学校一の人気者の彼女になるということは、想像以上に大変だった。

「ねえ見た?」

「また神宮寺さん冬人くんと帰ってた。」

「どうせすぐ別れるでしょ。」

陰口は毎日聞こえてきた。

それでも私は気にしないようにしていた。

でもある日。

私の机に落書きがされていた。

『冬人くんから離れろ』

『調子乗るな』

胸が苦しくなった。

犯人は分からない。

だけど誰がやったのかなんとなく想像はついた。

冬人くんのファンの女の子たち。

それでも冬人くんには言えなかった。

迷惑をかけたくなかったから。

そんな時だった。
最近よく話しかけてくる男子がいた。

同じクラスの橘悠真。

「神宮寺、大丈夫?」

「え?」

「最近元気ないじゃん。」

優しくしてくれる。

相談にも乗ってくれる。

だから少しだけ頼ってしまった。

ある放課後。

廊下で話しているところを冬人くんに見られた。

冬人くんの表情が一瞬で変わる。

「何してんの。」

低い声。

「え?」

「帰るぞ。」

そのまま腕を引かれた。

だけど事件はそれだけじゃなかった。
休日。

私は駅前で兄と買い物をしていた。

「紗羅ー。」

「お兄ちゃん遅い!」

兄は大学生。

昔から仲が良かった。

すると向こう側から誰かがこちらを見ていた。

冬人くんだった。

目が合う。

だけど彼はそのまま立ち去った。

翌日。
冬人くんは一言も話してくれなかった。

LINEも既読がつかない。

「冬人くん?」

「……。」

「何か怒ってる?」

「別に。」

明らかに怒っていた。

そして放課後。

ようやく口を開いた。

「昨日の男誰。」

「え?」

「駅前にいたやつ。」

その瞬間。

私は全てを理解した。

「お兄ちゃんだよ!?」

「……は?」

「実のお兄ちゃん!」

冬人くんの顔が固まる。

しかし安心したのも束の間。
今度は学校でとんでもない噂が流れ始めた。

『神宮寺紗羅は橘悠真とも付き合っている』

もちろん嘘。

だけど噂はどんどん広がっていく。

クラスの視線が痛い。

冬人くんまで信じてしまったらどうしよう。

怖かった。

そしてある日。

ついに限界が来て私は泣いてしまう。

すると――

教室のドアが勢いよく開いた。

「誰だよ。」

冬人くんだった。

教室が静まり返る。

「紗羅泣かせたやつ。」

その目は今まで見たことがないほど冷たかった。

「俺の彼女にくだらねえこと言ってんじゃねぇよ。」

その日初めて知った。
普段は無愛想で冷たい冬人くんが、

本当に大切な人のためなら誰よりも本気で怒ることを。

そして放課後。

誰もいない教室。

「ごめん。」

冬人くんが言った。

「俺も少し疑った。」

「……。」

「でも信じるべきだった。」

私は涙をこらえながら笑った。

すると冬人くんはそっと私を抱き寄せる。

「もう泣くな。」

「うん。」

「お前が好きなのは俺だけだろ。」

「当たり前じゃん。」

「ならいい。」

耳まで真っ赤なくせに。

その腕だけは絶対に離してくれなかった。

こういう感じなら、さらに
「実は冬人くんにも幼なじみ美少女がいて紗羅が誤解する編」

「いじめの黒幕が冬人くんを昔から好きだった学年一の美少女編」
まで入れて、かなりドロドロで胸キュンな長編にできるよ。💕
どっちも入れて
「好きだから信じたいのに」
冬人くんがみんなの前で私をかばってくれてから、学校での嫌がらせは少し減った。
でも――

平穏は長く続かなかった。

ある日の昼休み。

教室の前が急に騒がしくなる。

「やばっ、来た!」

「相変わらず可愛い……!」

女子たちがざわつく。

廊下を見ると、一人の女の子が立っていた。

長い黒髪に整った顔立ち。

まるでお姫様みたいだった。

その子は迷わず冬人くんの席へ向かう。

「冬人。」

そして自然に名前を呼んだ。

クラスがざわめく。

冬人くんも驚いた顔をした。

「……楓。」

楓。

その名前を聞いた瞬間、周りの女子たちが騒ぎ始めた。

「え、あの幼なじみ!?」

「海外行ってた子でしょ!?」

「美男美女すぎる……!」

私は胸がざわついた。

幼なじみ。

その言葉だけで不安になる。

それから楓さんは毎日のように冬人くんのところへ来た。
「昔さー」

「覚えてる?」

「冬人って昔泣き虫だったよね。」

私の知らない話ばかり。

二人だけの思い出ばかり。

私は入れない。

入ることができない。

気づけば少しずつ距離を置いていた。

そんなある日。
放課後の校舎裏。

偶然見てしまった。

楓さんが冬人くんに抱きついているところを。

頭が真っ白になった。

見なかったことにして逃げ出した。

その夜。
冬人くんからLINEが来る。

『どうした』

既読をつけられない。

苦しくて。

悲しくて。

涙が止まらなかった。

翌日。
私は避け続けた。

すると昼休み。

誰かに腕を掴まれる。

「紗羅。」

冬人くんだった。

「離して。」

「離さない。」

「楓さんのところ行けばいいじゃん。」

その瞬間。

冬人くんが固まった。

「……は?」

「昨日見たもん。」

「何を。」

「抱きついてた。」

数秒の沈黙。

そして。

「それだけ?」

「え?」

「楓が勝手に抱きついてきただけ。」

「でも!」

「俺押し返しただろ。」

そう言われて思い出す。

確かにその後までは見ていない。

逃げたから。
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