守護王の最愛~運命を壊す禁断の恋は、祝福の淡雪を降らせる~
 きっとなんて不釣り合いな二人なんだ、と思われるに違いない。
 だって、彼の着物は上質な布であるのがわかるし、偉い人なのだと一目でわかる。
 それに比べて私は貧相な体に、ボロボロの擦り切れた小袖に裸足。
 段々申し訳思えてきて、私は黙って俯くしかなかった──
 帰る家もない私を抱えて、彼はどこかに向かって行く。

「ど、どちらへ?」
「家がないのだろう。うちに来い。面倒を見るくらいできる」

 ああ、この人はなんて優しい人なんだろう。
 ひどく冷たく聞こえたその声の裏には、きっと優しい気持ちが詰まっている。
 そんな風に思いながら彼を見つめていると、視線がばっちりと合う。

「──っ!!」
「なんだ?」
「い、いえっ!」

 月の光がより彼の青紫色の瞳を輝かせる。
 どうしてこんなに目を奪われてしまうのだろう。

「名は?」
「え……」

 もう一度言わせる気か、とばかりに目を細められる。

「凛……です」
「そうか。十八まで面倒を見てやる。それまでに自分で生きる術を身につけろ。できるか?」

 そう聞いて私は俯いてしまう。

「できないのか?」
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