The previous night of the world revolution5~R.D.~
「ほら、アリューシャ。少し前に、ルレイアとルルシーとルリシヤが、拉致されてた国があるでしょう?なかなか帰ってこなくて心配したじゃない」

「あー!あったなそんなこと!ったく、あんときはアリューシャ、チョー心配したぜ!」

ごめんなさい。

「あれは何処の国だったかな?」

「分かる分かる。ちょっと待ってよ思い出すから…。…えーっと…。ほら、なんとかっていう国…」

「…」

「何だよルル公、その馬鹿にした目は。アリューシャだってちゃんと覚えてるっての」

「…ふーん。じゃあ、言ってみろよ」

白い目のルルシー。

「馬鹿にしやがってよ。ちゃんと覚えてるよ。ほら、丁度今…。胃の辺りまで出てきてるんだけど」

「全然思い出せてないじゃないか」

喉元まで出てくるには、まだ時間がかかりそうである。

すると、すかさずアイズが。

「じゃあヒントをあげよう。『シェ』から始まる国の名前は?」

「シェパード!」

元気良く答えてくれてありがとう。

しかし、俺の知る限り、世界にそんな国は存在しない。

「アリューシャ先輩。それ犬だ」

「へ?犬?」

「ルリシヤ…。その馬鹿はもう放っとけ」

怒りのルルシー。

まぁ良いじゃないか。アリューシャらしくて可愛い。

「…ルレイア」

「はい、何ですか」

ルルシーは、厳しい目で俺を睨んだ。

あぁ、これは本気で怒ってるときのルルシーだ。

その顔も好きなんだけど、俺はあまりルルシーは怒らせたくないな。

「言っておくが、俺は反対だからな」

…ルルシーなら、そう言うと思った。

「…正直言うなら、俺もあんまり行きたくないんですよ。…シェルドニア王国には」

俺達の「銀行」。

それはつまり、シェルドニア王国のことである。
< 205 / 627 >

この作品をシェア

pagetop