The previous night of the world revolution5~R.D.~
「で…殿下…」

「…」

ずぞぞ、と麺を啜る。

やっぱり美味い。

「な…何をお召し上がりになっているのですか…」

「…カップ麺です」

「か…」

「…」

ずるずる。

「…か…」

「…」

ずるずる。

かやく美味っ。

「…カップ麺ですと!?」

「はい」

ずるずる。

スープも美味い。

「こ、皇太子たる御方が!何を食べているのですかっ!?」

「だから、カップ麺」

「何処から、そんなものを!?」

「コンビニで」

買ってきました。

物凄く美味しいです。

「と、とにかくおやめください!そんなものをお召し上がりになるのは!」

「そう言われても、もう食べ終わりましたし…」

スープを僅かに残して、完食。

本当美味しかったです。

折角だからスープも残さずに飲もうかな、と思ったら。

レスリーが、慌ててカップ麺の容器を取り上げた。

冷静に考えると、あのカップ麺の容器も凄いよな。

お湯入れてるのに、素手で持っても熱くない。

250円の中に詰まってる技術のレベルの高さに、僕は感動です。

あールティス帝国に生まれて良かった。

「で、殿下…!あなたという人は…!」

「レスリーは、カップ麺食べたことあります?めちゃくちゃ美味しいですね、それ。考えた人に拍手を送りた、」

「そういうお話をしているのではありませんっ!」

レスリーは、唾を飛ばしながら怒鳴り声をあげた。

あー、これヤバい奴。

でも、これからどれだけ怒られたとしても。

僕は、後悔はない。

だって、カップ麺が美味しかったから。
< 384 / 627 >

この作品をシェア

pagetop