The previous night of the world revolution5~R.D.~
先輩後輩だとか、そんなことは関係ない。

ルルシーの言った通り、年齢も関係ない。

適材適所、という奴だ。

「…引き受ける気はありますか、ルリシヤ」

彼ならば、躊躇いなく背中を任せられる。

ルリシヤの実力は、この場にいる誰もが知っている。

ルリシヤの指揮下に入ることになっても、誰も異論は唱えない。

「…無論、頼まれれば引き受ける覚悟だが」

ルリシヤは、静かにそう答えた。

「私見を述べるならば、この場合、俺よりルレイア先輩の方が適任だ」

「…ほう。その根拠は?」

「確かに俺は作戦指揮の経験があるが、俺にあるのは経験だけだ。ルレイア先輩のように、専門機関で訓練を受けた訳じゃない」

「…」

…ルリシヤは、帝国騎士官学校に入るはずだったのに、寸前で蹴落とされたんだっけな。

惜しいことをしたと言うべきか、むしろ救われたと言うべきか。

「この場合は、経験だけに基づく俺の指揮より、正攻法も奇策も全て熟知したルレイア先輩だろう。昔取った杵柄、元帝国騎士団四番隊隊長の見事な作戦指揮を見せてくれ」

…言ってくれるじゃないか。

伊達に、あの腐れ学校を首席で卒業した訳ではないことを、見せてやろう。

「…分かりました。これより一時的に『青薔薇連合会』全部隊の指揮権を、『青薔薇連合会』幹部、このルレイア・ティシェリーが受託します」

異論を唱える者は、誰もいなかった。

俺と言えば、鎌持って最前線に突っ走るしか取り柄がないと思っているかもしれないが。

実はそうでもないことを見せつける、良い機会だ。
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