The previous night of the world revolution5~R.D.~
しかし、ルリシヤは。

「仕方ない…。ならば、最終手段を使うしかなさそうだ」

最終手段?

「アリューシャ先輩」

「ふぇ?」

アイズにケーキを食べさせてもらっていたアリューシャが、口のほとりに生クリームをつけたまま振り向いた。

「シフォンケーキ、食べたくないか?」

「シフォンケーキ!?欲しい!」

「よし、今度焼いて持ってこよう。カスタードもたっぷりつけてな」

「やったー!ルリ公のシフォンケーキ!」

「その代わりと言ってはなんだが、今夜、ルルシー先輩の家を狙撃してくれないか。麻酔弾で良い」

「お安い御用だぜ!絶世のスナイパーアリューシャの手にかかれば、自宅でまったりしてるルル公なんて、動かない的も同じよ!」

おい、おいおいおい。

待て待て待て。

「お前ら!何の相談してるんだ!」

「だってルルシー先輩が、家に入れてくれないって言うから…」

「お前らには、俺の家以外のところで作業するという選択肢はないのか!!」

何故、何がなんでも俺の家でやろうとするんだ。

家主を狙撃してでもうちでやりたいか。そうなのか。

そこまでしてでも、うちでやらなければならない何かがあるのか。

そして俺は、もう諦めるしかないのか。

「じゃ、嫁に『今夜は男の家に外泊する』ってメールしときますね」

誤解を招きそうな伝え方をやめろ。

「…はぁ…」

どうやっても、阻止出来そうにない。

「…うふ。ルルシーの溜め息…。官能的で素敵…」

「ルレイア…」

頼りになるときはめちゃくちゃ頼りになるけど。

今ばかりは、全然頼りにならないな、お前。
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