エリート脳外科医の長い恋煩い〜クールなドクターは初恋の彼女を溺愛で救いたい〜
柊哉side
 手をマッサージしながら時々上目遣いで俺の表情を確認する優茉を見ていると、胸の奥から湧き上がってくる衝動を止められなかった。
 ここで暮らし始めてから二週間ほどが経ち、優茉はリラックスした表情を見せてくれるようになり俺の存在にも慣れてきた様子。
 だから、そろそろ攻めてもいい頃じゃないかと思った。ただの同居人ではなく、男として意識してもらえるように。俺を好きになってもらえるように。
 もう残された時間はあまりないし、俺はこの二週間で痛いほど良く分かった。
 もう優茉のいない生活には戻れない...
 家に帰れば明りが灯っていて「おかえりなさい」と笑顔で迎えてくれる安心感、優茉の温もり、優しい料理の味...。どれも手放すなんて、もう絶対にできない。

 翌朝、優茉が動いている気配で目が覚めたのは七時過ぎ。こちら向きに寝返りをうった彼女はまだ無防備な寝顔で、つい髪を撫でているとゆっくりと目を開けぼんやりと俺を見つめた後、大きく目を見開き飛び起きた。
 せっかく早く起きたのでさっそく優茉がリクエストした横浜へと出発し、途中カフェに寄りコーヒーとサンドイッチを買って目的地を目指した。
 少しずつ窓から見える景色も変わり一時間ほどで到着すると、まずはこの時期しか見られない紅葉に染まる三溪園を散策した。イチョウの葉が落ち、黄色に染まった道もまたとても綺麗だ。その後も、異国情緒あふれるレトロな洋館が並ぶ街なみをゆっくりと散歩してまわった。優茉は大好きな小説に出てきた街並みや建物を実際に見ることが出来終始とても嬉しそうで、そんな彼女の笑顔を見られただけで俺はもう十分だった。
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