素直と天然と少しの頑固を加えて
インターンシップ
大学３年にもなり、廻りは就活生活真っ盛り。
ほとんどの学生はインターンシップに行っている。
『表立っては言えないけれど』って、内内定の話しも聞こえてくる。
２年の時に起業したから、今は正直迷ってる。
このままやっていくのも良いけれど、今調子に乗ってるだけだとも言える。

とりあえずお試しで、俺もインターンシップにでも行ってみようかと思い始めた。
ただ実際は何がやりたいのかいまいち分かってない。
行ってみたら何かが見えてくるんだろうか。

｢おっ、高木が珍しいとこに来てるな｣
確かにキャリアサポートセンターなんかに来たのは初めてかも知れない。
就職自体迷ってるくらいなんだから。
知ってる名前の企業を適当に選んで覗いてみることにした。

市役所に勤めている両親と中学校の数学教師の兄と銀行員の兄の５人家族。
絵に描いたような一般家庭。
学費と家賃、光熱費は出してもらっているけど、それ以外は自分で稼ぐならと独り暮らしを許された。
ホームページやネットショップのサイトを作って稼いでる。
そこまで手が回らない零細企業や機械に弱い年配の個人企業に助けられている。
一部の友達を除いては、アルバイトもせず、呑気にやってるように見られていると思う。
勝手に『親の仕事継ぐんじゃないの』とか言ってくるヤツもいる。
実際、継いでるヤツより言ってるヤツの方が呑気に見えるけど。

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