運命みたいな恋は、ほら!すぐそこに転がっている
普段はしないお化粧も少しだけして、いつもは1つに括っている髪も下ろし、ワッスをつけてウェーブを整えた。
徹さんがどんな格好して現れるのかがわからなかったから着ていくものにも迷ったけれど、ブラウスと膝丈のスカートとショート丈のジャケットを羽織り小さめのショルダーバックを持った。

「普段とは雰囲気が違うね」

リビングへ出ると、綿のパンツにカジュアルシャツと秋色のジャケットを着た徹さんが待っていて、少し驚いたように私を見る。

「変ですか?」

髪をおろすと派手だと言われることが、10代の頃からコンプレックスだった。
お金もかけずにこんなにきれいなウェーブが出るなんてうらやましいと容子は言ってくれるけれど、短くすれば大爆発して収拾がつかなくなり、伸ばして結んでいるしかできないこの髪が私は大嫌いだ。

「とっても素敵だよ」
「本当ですか?」

本心かどうかはわからないが、徹さんに褒めてもらって嬉しい気分。

「じゃあ行こうか」
「はい」

玄関に備えつけられて姿見でもう一度自分の姿を見直してから、私は徹さんとともに部屋を出た。
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