きみは、俺のただひとり ~神様からのギフト~
 確かに、ジェレマイアとふたりでイングラムを出奔すれば、残されたデイヴには、ご領主様の追求と責めが待っている。
 デイヴから何も手掛かりが得られなければ、次はエラが、エルザが、リーブスまでもが責められる。
 

 自分はそこまで考えが及ばなかった。
 貴方を補いたい、なんて偉そうに言って。
 彼についていきたい、彼と離れたくない、それだけしかなかった。
 自分達を助けてくれた周囲の人達の事を忘れていた。


 恋人がここを出ると聞いてから、一言も発しない娘を気にしながらも時間が無いこともあり、父はジェレマイアに尋ねた。
 

「今夜このまま? 何処へ?」

「……シェイマスへ。
 聖教会の大聖堂にテリオス殿下が預かりの身になっていて、後に合流する事になっていた」

「後に、とは何の後に?」

「……それは……」

 デイヴの追求に、ジェレマイアは口ごもった。


「……自分だけの判断では、口に出せない、という事ですか?
 殿下との密約があったから、醜聞についても何も言えなかった?」

「……密約と言う程の約束ではない……」

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