結婚不適合なふたりが夫婦になったら――女嫌いパイロットが鉄壁妻に激甘に!?
『結婚したからには奥さんに対しての責任も果たしていかないといけないぞ』


 本郷の言葉が重くのしかかってきた。

(俺は身勝手な男だな)

 自分の都合に彼女を巻き込むだけ巻き込んでほったらかし。あとはご自由にどうぞでは、あまりにも無責任だ。
 それも人生において一大イベントである結婚にもかかわらず。

 おそらく史花は、どうしたら本物の夫婦になれるか自分なりにリサーチして、ひとつずつクリアしていこうと考えたのだろう。フライトプランを作るように丁寧に。

 健気な姿は、常に冷静で何事にも冷めている優成の心をかすかに動かした。

 夫婦でありながら友人よりも遠い存在。そんな夫の優成には相談できなくても無理はない。なにしろ会話さえろくになかったのだから。申し訳なさが込み上げる。


「ごめん、史花」


 素直な言葉が口から漏れた。
 テーブルに突っ伏して眠ってしまった史花をこのままにしておくわけにはいかない。
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