結婚不適合なふたりが夫婦になったら――女嫌いパイロットが鉄壁妻に激甘に!?
 優成は目を瞬かせた。謎を深めてしまったか。


「……会話って俺との?」


 頷いてから続ける。


「面白い話も気の利いた話もできないので、せめて退屈だけは避けようと思って……」


 これがあるからといって楽しませられているわけではないけれど、ないよりはあったほうが心強い。

(恥ずかしいものを見られちゃった)

 メモを小さく折りたたんでバッグの中に無造作に突っ込んだ。
 優成の眉尻がわずかに下がる。困ったような、それでいて複雑な表情だ。

(やっぱり引かれたよね……。もっとちゃんとしまっておけばよかった)

 後悔しても、もう遅い。見られたうえ、自分から白状したのだから。


「そんなに気負うな」
「……はい?」
「面白い話をしなきゃとか、楽しませなきゃなんて身構えなくていいから」
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