結婚不適合なふたりが夫婦になったら――女嫌いパイロットが鉄壁妻に激甘に!?
態度からも言葉からも、結婚を拒む強い意思を感じる。

(そういえば津城さんは女嫌いだってCAたちが噂していたけど……。そもそも女嫌い以前に私みたいな女が相手だから、紹介されてがっかりしたんだろうな)

 エリートパイロットであり恋人になりたいと女性たちから熱い視線を浴びるような彼が、いくら祖母に頼まれようと地味な史花との結婚を考えるはずもないのだ。
 むしろこの場に来たこと自体が申し訳ない。


「優成、そんなこと言わないの。私の大切なお友達なのよ?」
「喜乃さん、お気になさらないでください。私なら平気ですから」


 複雑な空気を感じ取ったのか、コーヒーを運んできた店員がどうしようかと数歩離れたところで足踏みしていた。

 史花は目で〝大丈夫です〟と合図を送り、無事に置かれたコーヒーカップを手に取る。いつもは砂糖もミルクも入れるけれど、なんとなく手にできずにブラックのまま口にした。
 案の定、苦くて思わず顔をしかめると、喜乃はそれを違う意味で受け取ったらしい。


「ごめんなさいね、史花さん」
「あ、いえ、違うんです。私は本当に大丈夫ですから」
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