ソレが出て来る話を聞かないでください
そう質問してみると、絵里のお母さんは「たぶんね。おばあちゃんの家に行ってからなんとなく様子がおかしかったから、そこでなにかあったのよ」と、鋭い視線を床へ向けます。
まるでそこに娘を死に追いやった何者かがいるように。
「絵里から聞いたんですけど、イトコに会ってたんですよね? たしか、史也くんとかいう名前の」
悟志が空中へ視線を泳がせ、思い出す素振りをして言いました。
これは嘘です。
絵里から史也くんの話を聞いたことは一度もありません。
でも、時には必要な嘘もありますよね?
「そうよ。絵里と同じ中学2年生で、隣街に暮らしているわ」
「その史也くんから怖い話を聞いたって言っていました。それが気になっていたのかもしれません」
「怖い話?」
絵里のお母さんの表情が怪訝なものに変わりました。
絵里からその辺の話は聞いていなかったんでしょう。
「話を聞いたことはないですか?」
まるでそこに娘を死に追いやった何者かがいるように。
「絵里から聞いたんですけど、イトコに会ってたんですよね? たしか、史也くんとかいう名前の」
悟志が空中へ視線を泳がせ、思い出す素振りをして言いました。
これは嘘です。
絵里から史也くんの話を聞いたことは一度もありません。
でも、時には必要な嘘もありますよね?
「そうよ。絵里と同じ中学2年生で、隣街に暮らしているわ」
「その史也くんから怖い話を聞いたって言っていました。それが気になっていたのかもしれません」
「怖い話?」
絵里のお母さんの表情が怪訝なものに変わりました。
絵里からその辺の話は聞いていなかったんでしょう。
「話を聞いたことはないですか?」