【プロット】 隠れヤンデレ弁護士の汚れた純愛
プロット
希久菜は動揺した。ルームシェアしていた友達に彼氏ができた。結婚するからふたり暮らし解消ね、と言われたからだ。お姉さんのことはさすがにもう大丈夫でしょ、と言われる。
どうしよう、となる希久菜。
悩みながら仕事から帰る途中、弁護士バッジが転がってきた。
拾ってあげたら、イケメンだった。
名刺を渡されて、相談があればいつでも、と持ち主の志津野勇理に言われる。
そんなことがあったのも忘れた一週間後、「偶然」勇理と再会する。(実は勇理が待ち伏せ)
この前のお礼に、とお茶を奢られる。弁護士バッジなんて弁護士の命なんだから、命の恩人だよ、と言われる。大袈裟な、と希久菜は笑う。
「なくしたら大変なことになるところだった。再発行はしてもらえるけど、バッジの裏に『再』って書かれちゃうんだよ」と恥ずかしそうに彼は言う。
不動産会社の封筒を見られて、どうしたのかと聞かれる。引越ししなきゃいけなくて、と言うと、いい部屋があるんだ、と彼に紹介される。
海外に行っている姉夫婦の管理人として代わりに住んでほしいと。年数は未定だが数年は帰ってこない。
渡りに船とありがたく住むが、豪華マンションの彼の隣の部屋だった。
月三万円と言われているが、本当にそれでいいのかと勇理に聞く。
管理してもらうわけだから、本当はこっちから管理料を払わなきゃいけないくらいだよ、と言われる。でもそれだとあなたが気を使うでしょ? だから三万で、と笑顔で言われる。
「夕食に友達が来る予定だったのに、急なキャンセルで。よかったら一緒にどう?」と誘われた。
(実は友達なんて嘘だが彼女はそれを知らない。)
部屋で、彼女のバッグにコーヒーをこぼしてしまう。弁償する、と約束する彼。
彼女が帰ったあと。隣に彼女がいる、と抱きしめるように壁に体をつける彼。絶対に逃さない、とつぶやく。
仕事帰りに姉と遭遇する希久菜。
どうしてここがわかったの、と聞くと、「親切な人が教えてくれたのよ」とにんまりと笑う。
勇理が現れ、姉を撃退してくれる。(彼は姉が来ることをわかっていて、二人が遭遇するのを待ち伏せていた)
気分転換にディナーでもどう、と言われる。またキャンセルされちゃったんだ、と困ったように言われて一緒に行く。
一緒にディナーに行くと、本当に偶然に友人の御曹司と出くわす。
紹介される。
彼は住む世界が違う、と思う。
御曹司の発言で、彼には姉がいないとわかる。が、弁護士、「姉のように慕っていた仲のいい人」と言い繕う。今は結婚して外国にいるから会うことはない、と。
どんな女性なのかな、彼はその人のことを好きだったりしたのかな、と気になってしまう希久菜。ディナーをキャンセルしたというのは実は女性だったのかな、とか。
姉の光海のことを聞かれて話す。
小さいころから姉のしりぬぐいをさせられてきた。大きくなった姉は不倫を繰り返し、両親はその慰謝料で貯金がなくなった。
両親は無保険の車にひかれて他界。
姉は両親の葬式のときはなにもせずに棺に取りすがって号泣。葬式の手配やらなんやらしている自分は、出席した男性たちに薄情と言われた。女性たちは葬式には雑事がつきものと知っているから同情された。
両親が亡くなったあとは姉の不倫の慰謝料に自分が苦しめられた。拒否したら大声で泣きわめかれ、職場に押しかける。相手の男もその妻もろくでもない人で、身の危険を感じて貯金を渡して逃げた。
姉が結婚したのを機に、友達の沙有里の誘いでまた転職してなんのゆかりもない隣県で一から出直した。
姉からはそれからも連絡があったが、お金を渡したら黙るので、少額を振りこんでごまかしながらやってきた。今となってはただひとりの肉親だから突き放せない。
友達とはどちらかが結婚したらふたり暮らし解消の約束ではあったのだが、そのタイミングが思ったより早かった。
帰り道、勇理のおかげで運よく低価格で住むことができて感謝している、と話す。
苦労したんだね、と慰められる。
どうして妹の自分が姉の世話をしなくちゃいけないのかな、と思うときがある、と苦笑する。
そんなことはしなくていいんだよ、これからは俺を頼って、と言われる。
だけど、男性に頼るのは姉と同じになるようで怖い。
優しくしないでください、甘えちゃうから、と希久菜。
もっと甘えてもいいんだよ。君にはその権利がある。それは依存じゃないんだからね、と言われて抱きしめられる。
ずっと甘えられずにいた。大人の彼に優しく言われると、すぐに甘えてしまいたくなる。
法的には姉のめんどうを見る必要はない、今の君は姉と共依存になっているのではないのか、と指摘される。姉の自立のためには君が姉離れをしないとね、とも。
依存だと思っていなかった彼女は驚いて、そうなのかも、と思い始める。
「君のことは命をかけて守るよ」
と言われて舞い上がる。キスされる。
勇理の提案で、もう関係ない、関わるな、という内容証明を姉に送る。普通は内容証明で驚いて関わらなくなるはずだ、と彼は言う。
仕事は転職を考えるようになる希久菜。
彼の職場に事務の空きがあるからどう、と言われて迷う。そこまでお世話になっていいとは思えない。
どういうつもりでキスをしたのかわからず、かといって自分から聞く勇気もない。あのときの彼はただ気分が盛り上がっただけなのかもしれない。だが、あのキスで彼を好きだと自覚してしまっていたから落ち着かない。
後日、お礼に、と言って彼に手料理をごちそうする。喜ぶ彼。
最新のブランドバッグをプレゼントされる。この前の弁償、と。
こんな高い物を、と遠慮するが、返品もできないからもらって、と言われて受け取る。
仕事の帰りにまた姉が待ち伏せしている。
「助けてほしいの、このままだと私、売られちゃうの」と姉が言う。
「内容証明を送ったでしょ」と希久菜は拒否して帰る。
勇理に相談すると、今後の対応はこちらでする、と言われる。
翌日は姉の言葉が気になって仕事でミス。
姉が勇理と順調に仲良くなっている報告をしてくる。
「彼が家に来てね、りんごを剥いてあげたのよ。喜んで食べてくれたわ!」と言う。
姉は魅力的だ。彼も姉の魅力に負けるのだろうとさみしくなる。
彼が忙しくしているので会わなくなる。
姉が愚痴の電話をしてくる。「勇理と結婚したいから、今の夫と離婚したいの。だけど離婚してくれないの」と。ふたりの愛に板挟みになる素敵な私と言いたいらしい。忙しいから、と電話を切る。
姉がまた現れて希久菜をお茶に誘う。
断るが、知らない男たちが現れて拉致される。とっさに勇理に電話をするが、姉に取り上げられる。
「遺産、本当はもっとあるんでしょ? 車にひかれたんだから損害賠償だってもらってるでしょ」と姉に言われる。
ない、と答えても信じてもらえない。
「夫にね、売られそうなの。売られるのって嫌じゃない。離婚するためには遺産を渡すか別の女を紹介しろって言われたの。あなたは妹なんだから、私の味方よね。私を助けてくれるわよね」
と笑う姉。
自分が売られるのだ、と悟る希久菜。姉からしたら自分は姉妹ではなかったのだ、と絶望する。
反社に片足をつっこんでいた姉の夫は希久菜を金のために売り飛ばす予定だという。
勇理からのコールバックには姉が出て、なんでもないの、と言って通話を切る。
もうダメだ、と思ったとき、勇理が警察とともに現れる。
警察は男たちを捕まえ、勇理は姉に近づく。
姉は、怖かった! と勇理に抱き着く。
直後、勇理が血まみれで倒れる。
警察官は目の前で彼が姉に刺されたと判断して姉を逮捕。
私じゃない、と叫ぶ姉。
だが、彼女が果物ナイフを握っている。
警察が彼女や夫たちを捕まえる。
勇理は、告白を断ったから刺されたんだろう、と警察に言う。
彼は救急車で運ばれて即手術。入院。手術は成功したが後遺症があるかもしれないと言われる希久菜。
手術後、麻酔が切れて意識を取り戻した彼に涙する希久菜。
「君が無事でよかった」と勇理。
愛してる、と言われて「私も」と言う希久菜。
キスして、と言われて彼にキスをする。
触れるだけのキスに物足りなさそうな彼。
「すごいのはまた今度ね」と彼が言うから、希久菜は照れる。
どうしてあの場に彼が都合よく表れたのか疑問は残ったが、そんなことより彼が無事でよかったと思う。
結末1 ヤンデレバージョン(タイトルはこちらのバージョン)
運よく後遺症もなく退院して一か月後、ディナークルーズ。
食事を終えたあと、夜風に当たりながら、勇理の回想。
退院した勇理、自室で書類にシュレッダーをかけている。希久菜についての調査報告書。
バッジを拾ってくれた彼女を一目で好きになり、すぐに調査を入れた。
姉がひとり。妹の希久菜に迷惑をかけ続けているのを知った。
「上手に道化を演じてくれてありがとう」と言いながら姉の調査報告書をシュレッダーにかける。
姉に希久菜の住所を匿名で知らせたのは彼。希久菜に頼ってほしかったから。
その上で姉を遠ざける予定だったが、姉に惚れられてしまい、うっとおしく思った。希久菜を虐げる存在は許せない。
だから姉にわざと刺される計画を立てた。姉の家にりんごと果物ナイフを持って訪ね、りんごを剥かせ、指紋のついた果物ナイフを回収して持ち歩いていた。果物ナイフは量販されているものだから買った人物を特定するのは困難。
殺意を否定し、刺したことも否定している姉は悪質だと検察官に判断されていると聞いている。弁護士を殺そうとするなど司法への汚辱だとも思われているらしい。裁判では実刑が下ることだろう。
希久菜が拉致されたのは誤算だったが、結局はそのおかげでより強くヒーローらしく見せられたし、予定より早く彼女を手に入れられた。彼女の心にはもう自分がしっかりと刻みつけられただろう。
都合よく拉致された場所がわかったのは彼女にプレゼントしたバッグにGPSを仕込んでおいたから。
どうしたの、と希久菜聞かれて回想から戻る彼。
「これを君に」
と彼はケースに入った指輪を彼女に見せる。
彼女好みの指輪で彼女は驚く。
プロポーズをして承諾をもらう。
「一生離さない」と抱きしめる。幸せそうな彼女。にやり、と笑う彼の目が薄暗く光った。
終
結末2 ハッピーエンドバージョン(ヤンデレは薄味)
勇理の退院後に希久菜とディナークルーズ。
ディナーのあと、ふたりで風にあたる。
姉が主人公の居場所を特定したのは夫の指示で興信所を使ったからだった。
夫の渡部研也が、もっと遺産があったはずだと言って金をせびりとるために希久菜を探していた。
姉は脅しのために果物ナイフを持っていたが、刺すつもりはなかった。だが、勇理ともみあううちに誤って刺してしまったのだ。
勇理はカバンに仕込んだGPSのことを正直に話した。姉の問題が片付くまではすぐに駆け付けられるようにしたかった、という。
それなら最初から言ってくれたらよかったのに、と彼女は言う。
謝罪を受け入れられてほっとした勇理は懐からジュエリーケースを取り出す。中にはダイヤの裸石。
「これを指輪にしてあなたに贈りたい」
とプロポーズ。主人公、了承してエンド。
終
どうしよう、となる希久菜。
悩みながら仕事から帰る途中、弁護士バッジが転がってきた。
拾ってあげたら、イケメンだった。
名刺を渡されて、相談があればいつでも、と持ち主の志津野勇理に言われる。
そんなことがあったのも忘れた一週間後、「偶然」勇理と再会する。(実は勇理が待ち伏せ)
この前のお礼に、とお茶を奢られる。弁護士バッジなんて弁護士の命なんだから、命の恩人だよ、と言われる。大袈裟な、と希久菜は笑う。
「なくしたら大変なことになるところだった。再発行はしてもらえるけど、バッジの裏に『再』って書かれちゃうんだよ」と恥ずかしそうに彼は言う。
不動産会社の封筒を見られて、どうしたのかと聞かれる。引越ししなきゃいけなくて、と言うと、いい部屋があるんだ、と彼に紹介される。
海外に行っている姉夫婦の管理人として代わりに住んでほしいと。年数は未定だが数年は帰ってこない。
渡りに船とありがたく住むが、豪華マンションの彼の隣の部屋だった。
月三万円と言われているが、本当にそれでいいのかと勇理に聞く。
管理してもらうわけだから、本当はこっちから管理料を払わなきゃいけないくらいだよ、と言われる。でもそれだとあなたが気を使うでしょ? だから三万で、と笑顔で言われる。
「夕食に友達が来る予定だったのに、急なキャンセルで。よかったら一緒にどう?」と誘われた。
(実は友達なんて嘘だが彼女はそれを知らない。)
部屋で、彼女のバッグにコーヒーをこぼしてしまう。弁償する、と約束する彼。
彼女が帰ったあと。隣に彼女がいる、と抱きしめるように壁に体をつける彼。絶対に逃さない、とつぶやく。
仕事帰りに姉と遭遇する希久菜。
どうしてここがわかったの、と聞くと、「親切な人が教えてくれたのよ」とにんまりと笑う。
勇理が現れ、姉を撃退してくれる。(彼は姉が来ることをわかっていて、二人が遭遇するのを待ち伏せていた)
気分転換にディナーでもどう、と言われる。またキャンセルされちゃったんだ、と困ったように言われて一緒に行く。
一緒にディナーに行くと、本当に偶然に友人の御曹司と出くわす。
紹介される。
彼は住む世界が違う、と思う。
御曹司の発言で、彼には姉がいないとわかる。が、弁護士、「姉のように慕っていた仲のいい人」と言い繕う。今は結婚して外国にいるから会うことはない、と。
どんな女性なのかな、彼はその人のことを好きだったりしたのかな、と気になってしまう希久菜。ディナーをキャンセルしたというのは実は女性だったのかな、とか。
姉の光海のことを聞かれて話す。
小さいころから姉のしりぬぐいをさせられてきた。大きくなった姉は不倫を繰り返し、両親はその慰謝料で貯金がなくなった。
両親は無保険の車にひかれて他界。
姉は両親の葬式のときはなにもせずに棺に取りすがって号泣。葬式の手配やらなんやらしている自分は、出席した男性たちに薄情と言われた。女性たちは葬式には雑事がつきものと知っているから同情された。
両親が亡くなったあとは姉の不倫の慰謝料に自分が苦しめられた。拒否したら大声で泣きわめかれ、職場に押しかける。相手の男もその妻もろくでもない人で、身の危険を感じて貯金を渡して逃げた。
姉が結婚したのを機に、友達の沙有里の誘いでまた転職してなんのゆかりもない隣県で一から出直した。
姉からはそれからも連絡があったが、お金を渡したら黙るので、少額を振りこんでごまかしながらやってきた。今となってはただひとりの肉親だから突き放せない。
友達とはどちらかが結婚したらふたり暮らし解消の約束ではあったのだが、そのタイミングが思ったより早かった。
帰り道、勇理のおかげで運よく低価格で住むことができて感謝している、と話す。
苦労したんだね、と慰められる。
どうして妹の自分が姉の世話をしなくちゃいけないのかな、と思うときがある、と苦笑する。
そんなことはしなくていいんだよ、これからは俺を頼って、と言われる。
だけど、男性に頼るのは姉と同じになるようで怖い。
優しくしないでください、甘えちゃうから、と希久菜。
もっと甘えてもいいんだよ。君にはその権利がある。それは依存じゃないんだからね、と言われて抱きしめられる。
ずっと甘えられずにいた。大人の彼に優しく言われると、すぐに甘えてしまいたくなる。
法的には姉のめんどうを見る必要はない、今の君は姉と共依存になっているのではないのか、と指摘される。姉の自立のためには君が姉離れをしないとね、とも。
依存だと思っていなかった彼女は驚いて、そうなのかも、と思い始める。
「君のことは命をかけて守るよ」
と言われて舞い上がる。キスされる。
勇理の提案で、もう関係ない、関わるな、という内容証明を姉に送る。普通は内容証明で驚いて関わらなくなるはずだ、と彼は言う。
仕事は転職を考えるようになる希久菜。
彼の職場に事務の空きがあるからどう、と言われて迷う。そこまでお世話になっていいとは思えない。
どういうつもりでキスをしたのかわからず、かといって自分から聞く勇気もない。あのときの彼はただ気分が盛り上がっただけなのかもしれない。だが、あのキスで彼を好きだと自覚してしまっていたから落ち着かない。
後日、お礼に、と言って彼に手料理をごちそうする。喜ぶ彼。
最新のブランドバッグをプレゼントされる。この前の弁償、と。
こんな高い物を、と遠慮するが、返品もできないからもらって、と言われて受け取る。
仕事の帰りにまた姉が待ち伏せしている。
「助けてほしいの、このままだと私、売られちゃうの」と姉が言う。
「内容証明を送ったでしょ」と希久菜は拒否して帰る。
勇理に相談すると、今後の対応はこちらでする、と言われる。
翌日は姉の言葉が気になって仕事でミス。
姉が勇理と順調に仲良くなっている報告をしてくる。
「彼が家に来てね、りんごを剥いてあげたのよ。喜んで食べてくれたわ!」と言う。
姉は魅力的だ。彼も姉の魅力に負けるのだろうとさみしくなる。
彼が忙しくしているので会わなくなる。
姉が愚痴の電話をしてくる。「勇理と結婚したいから、今の夫と離婚したいの。だけど離婚してくれないの」と。ふたりの愛に板挟みになる素敵な私と言いたいらしい。忙しいから、と電話を切る。
姉がまた現れて希久菜をお茶に誘う。
断るが、知らない男たちが現れて拉致される。とっさに勇理に電話をするが、姉に取り上げられる。
「遺産、本当はもっとあるんでしょ? 車にひかれたんだから損害賠償だってもらってるでしょ」と姉に言われる。
ない、と答えても信じてもらえない。
「夫にね、売られそうなの。売られるのって嫌じゃない。離婚するためには遺産を渡すか別の女を紹介しろって言われたの。あなたは妹なんだから、私の味方よね。私を助けてくれるわよね」
と笑う姉。
自分が売られるのだ、と悟る希久菜。姉からしたら自分は姉妹ではなかったのだ、と絶望する。
反社に片足をつっこんでいた姉の夫は希久菜を金のために売り飛ばす予定だという。
勇理からのコールバックには姉が出て、なんでもないの、と言って通話を切る。
もうダメだ、と思ったとき、勇理が警察とともに現れる。
警察は男たちを捕まえ、勇理は姉に近づく。
姉は、怖かった! と勇理に抱き着く。
直後、勇理が血まみれで倒れる。
警察官は目の前で彼が姉に刺されたと判断して姉を逮捕。
私じゃない、と叫ぶ姉。
だが、彼女が果物ナイフを握っている。
警察が彼女や夫たちを捕まえる。
勇理は、告白を断ったから刺されたんだろう、と警察に言う。
彼は救急車で運ばれて即手術。入院。手術は成功したが後遺症があるかもしれないと言われる希久菜。
手術後、麻酔が切れて意識を取り戻した彼に涙する希久菜。
「君が無事でよかった」と勇理。
愛してる、と言われて「私も」と言う希久菜。
キスして、と言われて彼にキスをする。
触れるだけのキスに物足りなさそうな彼。
「すごいのはまた今度ね」と彼が言うから、希久菜は照れる。
どうしてあの場に彼が都合よく表れたのか疑問は残ったが、そんなことより彼が無事でよかったと思う。
結末1 ヤンデレバージョン(タイトルはこちらのバージョン)
運よく後遺症もなく退院して一か月後、ディナークルーズ。
食事を終えたあと、夜風に当たりながら、勇理の回想。
退院した勇理、自室で書類にシュレッダーをかけている。希久菜についての調査報告書。
バッジを拾ってくれた彼女を一目で好きになり、すぐに調査を入れた。
姉がひとり。妹の希久菜に迷惑をかけ続けているのを知った。
「上手に道化を演じてくれてありがとう」と言いながら姉の調査報告書をシュレッダーにかける。
姉に希久菜の住所を匿名で知らせたのは彼。希久菜に頼ってほしかったから。
その上で姉を遠ざける予定だったが、姉に惚れられてしまい、うっとおしく思った。希久菜を虐げる存在は許せない。
だから姉にわざと刺される計画を立てた。姉の家にりんごと果物ナイフを持って訪ね、りんごを剥かせ、指紋のついた果物ナイフを回収して持ち歩いていた。果物ナイフは量販されているものだから買った人物を特定するのは困難。
殺意を否定し、刺したことも否定している姉は悪質だと検察官に判断されていると聞いている。弁護士を殺そうとするなど司法への汚辱だとも思われているらしい。裁判では実刑が下ることだろう。
希久菜が拉致されたのは誤算だったが、結局はそのおかげでより強くヒーローらしく見せられたし、予定より早く彼女を手に入れられた。彼女の心にはもう自分がしっかりと刻みつけられただろう。
都合よく拉致された場所がわかったのは彼女にプレゼントしたバッグにGPSを仕込んでおいたから。
どうしたの、と希久菜聞かれて回想から戻る彼。
「これを君に」
と彼はケースに入った指輪を彼女に見せる。
彼女好みの指輪で彼女は驚く。
プロポーズをして承諾をもらう。
「一生離さない」と抱きしめる。幸せそうな彼女。にやり、と笑う彼の目が薄暗く光った。
終
結末2 ハッピーエンドバージョン(ヤンデレは薄味)
勇理の退院後に希久菜とディナークルーズ。
ディナーのあと、ふたりで風にあたる。
姉が主人公の居場所を特定したのは夫の指示で興信所を使ったからだった。
夫の渡部研也が、もっと遺産があったはずだと言って金をせびりとるために希久菜を探していた。
姉は脅しのために果物ナイフを持っていたが、刺すつもりはなかった。だが、勇理ともみあううちに誤って刺してしまったのだ。
勇理はカバンに仕込んだGPSのことを正直に話した。姉の問題が片付くまではすぐに駆け付けられるようにしたかった、という。
それなら最初から言ってくれたらよかったのに、と彼女は言う。
謝罪を受け入れられてほっとした勇理は懐からジュエリーケースを取り出す。中にはダイヤの裸石。
「これを指輪にしてあなたに贈りたい」
とプロポーズ。主人公、了承してエンド。
終


