こじらせて、こじらせるほど。





「あのねぇ。女は29で一回生まれ変わんの」



「…は?なんだそれ。男は30まで童貞だと魔法使いになる的なやつ?」



「全然違う。大体の女は、29ではじめて、自分の若さの終わりをリアルに実感するわけ」




大町が新しい生ジョッキに手を伸ばす。4杯目。





「昔と違って30過ぎて結婚なんて普通だよ?
でも、出産にはどうしたってタイムリミットがある。初産が35過ぎたら高齢出産って言われてる。だから、逆算したら、タイムリミットが近い。もう結婚ゴールの付き合いしかする時間、残ってないわけ」




大町が焼き鳥を勢いよく頬張って



肉が刺さっていない串の先端を、俺に突きつけた。






「つまり。あんたみたいな精神小2男と遊んでる時間なんて全くないってこと!さすがに乃亜もそろそろ本気で彼氏探すと思うよ」



「…まじで?」



「大まじ。中川もさぁ、いい加減今の関係に甘んじてないで、そろそろ本気で攻めないと。一生手遅れになるんだからね!」





桜子〜、なんかかっこいい〜と目をウルウルさせる隆太の声は、もはや俺の耳にまともに入ってこなかった。




…そうか。あいつ…そろそろ結婚したいってことか?




へー、そっか、ふーん…





え、結婚を俺以外とする未来とか…あんの!?






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