貴方が結ぶ二重螺旋 ~鋼鉄の敏腕弁護士は遺伝子レベルで彼女を愛す~
「この紅茶は苺のフレーバーティーなの。マドレーヌは私が作ったのよ。お口に合うといいのだけど」
「いただきます」
言って、百合花は義務のようにマドレーヌを口にした。
***
しばらく、迅にとってはじれったい時間が続いた。
早く本題に入りたい。
だが、自分は性急にことを進めて彼女を警戒させるばかりだろう。
母は人の懐に入るのがうまい。だから実家に連れて来たのだ、ここで自分が慌てたせいで彼女をまた殻に閉じ込めさせてしまっては意味がない。
春子はたわいもない雑談を続けている。
「それでね、節約しなくちゃってバターを少なくしたら固いクッキーになってしまって、みんなにすごく文句を言われたのよ。バターだけが原因じゃないかもしれないのだけどね。百合花さんはお菓子を作ったりするの?」
「はい。たまに作ります」
「楽しい?」
「……わかりません」
迅には楽しくないのに作る状況がわからなかった。母の趣味はお菓子作りだが、いつも楽しそうだ。
「じゃあ今度、一緒に楽しく作りましょ」
にこにこと春子が誘うと、百合花は戸惑いを深くしていく。
「お姉さんとは一緒に作るの?」
びくっと百合花が震える。
「いただきます」
言って、百合花は義務のようにマドレーヌを口にした。
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しばらく、迅にとってはじれったい時間が続いた。
早く本題に入りたい。
だが、自分は性急にことを進めて彼女を警戒させるばかりだろう。
母は人の懐に入るのがうまい。だから実家に連れて来たのだ、ここで自分が慌てたせいで彼女をまた殻に閉じ込めさせてしまっては意味がない。
春子はたわいもない雑談を続けている。
「それでね、節約しなくちゃってバターを少なくしたら固いクッキーになってしまって、みんなにすごく文句を言われたのよ。バターだけが原因じゃないかもしれないのだけどね。百合花さんはお菓子を作ったりするの?」
「はい。たまに作ります」
「楽しい?」
「……わかりません」
迅には楽しくないのに作る状況がわからなかった。母の趣味はお菓子作りだが、いつも楽しそうだ。
「じゃあ今度、一緒に楽しく作りましょ」
にこにこと春子が誘うと、百合花は戸惑いを深くしていく。
「お姉さんとは一緒に作るの?」
びくっと百合花が震える。