貴方が結ぶ二重螺旋 ~鋼鉄の敏腕弁護士は遺伝子レベルで彼女を愛す~
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土曜日、百合花はどきどきと身支度を整えた。淡いグリーンのロングスカートに白い長袖のブラウスを着て、化粧を施す。髪はどうしたらいいのかよくわからず、そのままおろしていた。服もバッグも履く予定の靴も、すべて春子が買ってくれたものだ。
リビングに行くと春子がいて、だから思い切って尋ねる。
「奥様、変じゃないですか?」
尋ねると、春子はにっこりと笑う。
「大丈夫よ。こんなきれいな百合花さんを見たら迅も惚れ直すわ」
春子は太鼓判を押す。
「そ、そんなわけないです……」
百合花は肩をすくめてうつむく。
昨夜帰ってきた迅に「明日は一緒に出かけたい」と言われて了承し、朝から落ち着かずに準備をした。
彼は自分より大人で、すごく頼もしい。気が付けば彼を目で追い、彼が好きになるのはどんな女性だろうかと考えていた。自分みたいな地味で暗い世間知らずはきっとふさわしくない。そう思うのに、彼を見るたびに胸が熱くなった。
一昨日だって、と百合花は思い出す。
ららかをあっという間に追い返してくれた。百合花には決してできないことだ。
とんとん、と音がして迅が階段を降りて来る。
彼を見た瞬間、心臓が熱を発して震えた。