君を思うと、胸がぎゅっと痛くて
9. 君を思うと、胸がぎゅっと痛くて
次の日。
8/16は雨だった。
というか、台風がくるらしい。

でも、私は奏を呼んだ。
あの、約束の場所に行こうと言った。
終わりは、あの始まりの場所で。

「お待たせ」

「うん、わがままばかりでごめんね」

「いいよ。雨が強くなる前に早めに行こう」

「分かった」

手を繋いで、2人歩き出す。

ざーーーーー

昨日の海とはまるで違う鈍色の雨の音。

約束の場所について、私は、傘を畳んで、ゆっくりと草の上に置いた。

奏もそれを見て、静かに傘を畳んだ。

「奏ーー」

「さゆーー」

ザッ!誰かの足音が聞こえた。

そこで振り返ると。

「さゆ、やっぱり話がしたい」

そこにはアキがいて。
思い切り抱きしめてきた。
肩が震えている。

「うん。うん。アキ。いや、彰史。私も伝えたいことあるよ」

「なに……?」

「未来の私からの伝言。最初で最後の告白。よく聞いてね」



ーー彰史、私達が願えば、何度でも生き直せるーー


「諦めない……みんなが幸せでいられる方法を俺は探し続けるから」


「うん、みんなによろしく。先に未来に行って、待ってるから」

アキ、信じてるよ。そう囁いて、私はそっと彼から離れた。

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