〜響心〜
家族会議が終了するとお父さんもお母さんも仕事に戻っていった。


家族会議の末、私が転校をするのは冬休みが始まる前になり、文化祭が終わってひと段落した後だと決まった。


時間があるときに、手続きや高校への報告などは両親からしてくれると言っていた。


1人になった家で、機械的に体を動かす。勉強して、食事を摂り、お風呂に入り、眠りにつく。いじめを受けていた頃と同じような気分だ。


どこか、明日は状況がかわっているかもしれない。

またどこかには、明日がきて欲しくない。


両思いになりたいとか、友達がたくさん欲しいとか大きなことは望まないから前と同じような日常が欲しい。


転校したくないな。


部屋に行き、ベットの中に入ろうとすると明日の準備をするのを忘れていた。


教科書を出すと足元にメモ帳が落ちてきた。
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