婿入り希望の御曹司様とCool Beautyな彼女の結婚攻防戦〜長女圭衣の誰にも言えない3つの秘密〜花村三姉妹 圭衣と大和の物語
「今まで誰かに、ご両親のことを相談したことはあるか? たとえば、警察や役所の相談窓口、あるいは心療内科なんか」
涼介先生の問いに、私は素直にうなずいた。
「カウンセリングは受けていました。アメリカにいた高校のシニアの頃──日本でいう高校三年生の時、大学進学のことで揉めて……、それがきっかけです。日本に戻ってきた時に、今通っているカウンセリングの先生にアメリカでのファイルを渡したので、すべて記録が残っています」
「……、難しいとは思うが、家裁に申請を出すことはできる。まずは、本籍がある区役所で相談するのが初めのステップだ。そこで今までのカウンセリングファイルを提出する。それで受理されなかった場合、家裁に持ち込むという流れになる」
涼介先生は慎重に言葉を選びながらも、次の行動を示してくれた。
「明日、俺も同行する。まずは区役所で分籍の手続きを済ませて、それから閲覧制限の申請に取りかかろう。明日までに、カウンセリングファイルを用意できるか?」
「……、はい、今、電話してみます」
幸いなことに、ファイルのコピーはすぐに準備してくれるとのことで、このあと受け取りに行くことにした。
最後にもう一度、涼介先生から「本当にいいのか」と確認されたが、私の意思は変わらなかった。
隣で、悲しげにこちらを見つめる美愛ちゃんの視線が胸を締めつける。だけど申し訳ないけれど、今の私は、自分を優先することしかできない。
悠士兄さまの干渉もなくなり、こうして涼介先生のサポートのおかげで、分籍と閲覧制限について一歩踏み出すことができた。
分籍の手続き自体はそれほど時間がかからないという。けれど、問題は戸籍や住民票の閲覧制限の申請だった。
涼介先生からは念を押された。
「結果が出るまでは日本にいてほしい。正確には、いつでも区役所や家裁に出向ける場所にいてくれ」
……、ああぁぁ、私の沖縄バケーションがぁぁ。
心の中で小さく叫びながらも、仕方がないと諦める。少し長めの休暇でも取ろうかと密かに企んでいたが、今はそれどころじゃない。
会議室を出る間際、美愛ちゃんがぽつりと聞いてきた。
「あのね、圭衣ちゃん。新しい住所……、教えてくれない?」
けれど、正直に言うと今はまだ、誰にも教えたくなかった。
「……、すべてが終わって、最終的に引っ越しが済んだら、『終わったよ』ってメッセージを入れるわ」
私が選んだ言葉は、それが精一杯のやさしさだった。
ごめんね、美愛ちゃん。でも今は、自分の心を守ることで、精一杯なんだ。
涼介先生の問いに、私は素直にうなずいた。
「カウンセリングは受けていました。アメリカにいた高校のシニアの頃──日本でいう高校三年生の時、大学進学のことで揉めて……、それがきっかけです。日本に戻ってきた時に、今通っているカウンセリングの先生にアメリカでのファイルを渡したので、すべて記録が残っています」
「……、難しいとは思うが、家裁に申請を出すことはできる。まずは、本籍がある区役所で相談するのが初めのステップだ。そこで今までのカウンセリングファイルを提出する。それで受理されなかった場合、家裁に持ち込むという流れになる」
涼介先生は慎重に言葉を選びながらも、次の行動を示してくれた。
「明日、俺も同行する。まずは区役所で分籍の手続きを済ませて、それから閲覧制限の申請に取りかかろう。明日までに、カウンセリングファイルを用意できるか?」
「……、はい、今、電話してみます」
幸いなことに、ファイルのコピーはすぐに準備してくれるとのことで、このあと受け取りに行くことにした。
最後にもう一度、涼介先生から「本当にいいのか」と確認されたが、私の意思は変わらなかった。
隣で、悲しげにこちらを見つめる美愛ちゃんの視線が胸を締めつける。だけど申し訳ないけれど、今の私は、自分を優先することしかできない。
悠士兄さまの干渉もなくなり、こうして涼介先生のサポートのおかげで、分籍と閲覧制限について一歩踏み出すことができた。
分籍の手続き自体はそれほど時間がかからないという。けれど、問題は戸籍や住民票の閲覧制限の申請だった。
涼介先生からは念を押された。
「結果が出るまでは日本にいてほしい。正確には、いつでも区役所や家裁に出向ける場所にいてくれ」
……、ああぁぁ、私の沖縄バケーションがぁぁ。
心の中で小さく叫びながらも、仕方がないと諦める。少し長めの休暇でも取ろうかと密かに企んでいたが、今はそれどころじゃない。
会議室を出る間際、美愛ちゃんがぽつりと聞いてきた。
「あのね、圭衣ちゃん。新しい住所……、教えてくれない?」
けれど、正直に言うと今はまだ、誰にも教えたくなかった。
「……、すべてが終わって、最終的に引っ越しが済んだら、『終わったよ』ってメッセージを入れるわ」
私が選んだ言葉は、それが精一杯のやさしさだった。
ごめんね、美愛ちゃん。でも今は、自分の心を守ることで、精一杯なんだ。