婿入り希望の御曹司様とCool Beautyな彼女の結婚攻防戦〜長女圭衣の誰にも言えない3つの秘密〜花村三姉妹 圭衣と大和の物語
私のマンションには、大和の物がまだあちこちに残っている。
キッチン、洗面台、そして一番多いのは、寝室のクローゼット。彼が泊まりに来たときのための着替えや、スキンケア用品。私がデザインして縫ったシャツやパーカーまで、まるでそこに彼が今も住んでいるかのように並んでいた。
本来なら、これらは全部、大和のマンションへ送り返すべきなのかもしれない。でも、彼はもう私のメッセージすら読まなくなってしまった。
そんな相手に、今さら物だけ送りつけても、ただの迷惑なんじゃないか? そう思うと、手が止まってしまう。
処分してしまうという選択もある。だけど、それができるなら、今こうして悩んでなんかいない。
きっとこの先も、この部屋から彼の存在を完全に消し去ることなんてできないのだ。ふたりで料理したキッチン、映画を観たソファ、朝日が差し込んだベッドルーム。どこを見ても、彼との思い出がこびりついていて、簡単には拭いきれない。
ふと、あることに気がついて息を呑んだ。
……私の荷物、大和の部屋にも残ってる。
歯ブラシ、ヘアゴム、部屋着。今ごろ彼は、それらをどうしているのだろう。きっと、私の物なんて見たくもないはず。処分されてしまっても、文句は言えない。
でも、だからといって取りに行く勇気もない。だって、私の連絡はすべて拒絶されている。彼にとって、私はもう会いたくない存在なのだろう。
だったらいっそ、このマンションを引き払って、どこか遠くへ行ってしまおうか。
アメリカに戻るという選択肢が、ふと頭をよぎった。仕事を辞めて、また一人でデザイン会社にでも就職して何もかも、最初からやり直せばいい。
日本に戻ってきたのは、ピーターズファミリーとガーリーロリータファッションにもっと深く関わりたかったから。
『可愛い』が好きだと言ってもバカにされない仲間がいて、三姉妹でそばにいられる環境があって。だから、私はこの場所を選んだ。
でも、アメリカに戻ればまた、あの仲間たちとも離れることになる。
ぐるぐると思考が回って、脳が熱を持ったよ
うに感じた。
大和のこと、仕事のこと、ピーターズファミリーのこと、ガーリーロリータのこと。考えれば考えるほど、全部が重たくのしかかってくる。
もう──
「疲れちゃったよ」
私は小さく呟き、ソファに沈み込んだ。
キッチン、洗面台、そして一番多いのは、寝室のクローゼット。彼が泊まりに来たときのための着替えや、スキンケア用品。私がデザインして縫ったシャツやパーカーまで、まるでそこに彼が今も住んでいるかのように並んでいた。
本来なら、これらは全部、大和のマンションへ送り返すべきなのかもしれない。でも、彼はもう私のメッセージすら読まなくなってしまった。
そんな相手に、今さら物だけ送りつけても、ただの迷惑なんじゃないか? そう思うと、手が止まってしまう。
処分してしまうという選択もある。だけど、それができるなら、今こうして悩んでなんかいない。
きっとこの先も、この部屋から彼の存在を完全に消し去ることなんてできないのだ。ふたりで料理したキッチン、映画を観たソファ、朝日が差し込んだベッドルーム。どこを見ても、彼との思い出がこびりついていて、簡単には拭いきれない。
ふと、あることに気がついて息を呑んだ。
……私の荷物、大和の部屋にも残ってる。
歯ブラシ、ヘアゴム、部屋着。今ごろ彼は、それらをどうしているのだろう。きっと、私の物なんて見たくもないはず。処分されてしまっても、文句は言えない。
でも、だからといって取りに行く勇気もない。だって、私の連絡はすべて拒絶されている。彼にとって、私はもう会いたくない存在なのだろう。
だったらいっそ、このマンションを引き払って、どこか遠くへ行ってしまおうか。
アメリカに戻るという選択肢が、ふと頭をよぎった。仕事を辞めて、また一人でデザイン会社にでも就職して何もかも、最初からやり直せばいい。
日本に戻ってきたのは、ピーターズファミリーとガーリーロリータファッションにもっと深く関わりたかったから。
『可愛い』が好きだと言ってもバカにされない仲間がいて、三姉妹でそばにいられる環境があって。だから、私はこの場所を選んだ。
でも、アメリカに戻ればまた、あの仲間たちとも離れることになる。
ぐるぐると思考が回って、脳が熱を持ったよ
うに感じた。
大和のこと、仕事のこと、ピーターズファミリーのこと、ガーリーロリータのこと。考えれば考えるほど、全部が重たくのしかかってくる。
もう──
「疲れちゃったよ」
私は小さく呟き、ソファに沈み込んだ。