色褪せぬ恋のポラロイド

「わぁ、、、さすが高級ホテルですね、、、」

部屋の広さにわたしが驚いていると、慧吾様はベッドの方へ歩いて行き、「鈴、ベッドの上に座って?」と言った。

わたしは「えっ?」と戸惑いながらも草履を脱ぎ、ベッドの上に上がって正座をした。

すると、慧吾様もベッドの上に上がって来て、それからわたしの膝を枕にして寝転んだのだ。

「鈴の膝枕、久しぶりだなぁ。」
「小さい頃、よく膝枕でお昼寝してましたもんね。」
「落ち着く。」

そう言って、慧吾様は目を閉じた。

「なぁ、鈴。」
「はい。」
「俺の嫁になる?」

突然の慧吾様の言葉に「えっ?!」と驚くと、慧吾様はゆっくりと目を開け、ゆっくりとわたしの頬に手を伸ばして触れた。

わたしはドキドキしながら、「慧吾様、初めてのお酒で酔ってらっしゃるんですね。」と話を逸らそうとすると、慧吾様は「シャンパン2杯じゃ酔わないよ。」と言い、それからわたしのお腹に顔を埋めるように横向きに体勢を変え、わたしの腰に腕を回してきた。

「ちょ、ちょっとぉ!慧吾様?!」

わたしが戸惑い焦ってそう言ったが、すぐにスースーと寝息が聞こえてきた。

慧吾様、、、寝ちゃった?

その寝顔は、青年になってもまだ10歳だった時のあのままで、わたしは何だか少し安心した。

昨日、ご帰国されたばかりで疲れてますよね。

わたしはしばらく、自分の膝で眠る慧吾様の綺麗な寝顔を眺めていた。

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