Music of Frontier
その日から、俺は完全にクラスの悪者だった。

俺は何も悪いことはしていないはずなのに、何故か俺が女の子を泣かせたことになっていた。

それでも俺は、真面目に伴奏をしたが。

俺だけが真面目にやって、他のクラスメイトはろくに歌わないものだから、合唱大会は散々な結果だった。

更に、俺のクラスメイトからの扱いも散々だった。

女の子を泣かせてしまった件をきっかけに、俺は男子生徒から露骨に無視されるようになった。

随分幼稚な奴らだと思うけど、俺が思うに、ああいう奴らは、きっかけなんてほんの些細なもので充分なのだ。

誰かを攻撃することが目的なのであって、別に俺でなくても構わない。

良い感じにクラスで浮いた俺は、それから小学校を卒業するまで、毎日嫌がらせや無視をされるようになった。

それでも、俺は音楽への情熱を捨ててはいなかった。

むしろ、クラスメイトに無視されればされるほど、ピアノの方に熱中するようになった。

俺は学校で無視されていることを、両親には言っていなかった。

そんな惨めなこと、言えるはずがなかったからな。

まぁ…多分、気づいていたんだろうが。

何せ俺は、小学校の間ずっと、放課後や休日に友達と遊びに行く、なんてことが一度としてなかったのだから。

今思えば…俺は、典型的な陰キャだった。

自覚はなかったし、自覚していたとしても別に陰キャでも良いや、と言っていたと思う。

学校の他にも熱中するものがあったから、無視されようが、からわれようが、あまり悲しくはなかった。

無視されたら不愉快ではあったけど、いじめと呼ぶほど酷いものでもなかった。

だから、我慢も出来た。

あの頃は、まだ我慢していた。

でも、やがて我慢出来なくなった。

というのも、中学校に入ってからも、俺に対する嫌がらせは続いたからである。
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