私の王子様は弟系プリンス

告白は私のクラスの前で。

「そんなタイミング悪いな。もう静来たのか……」

と隣の河合くんがそう呟く。すると、静くんは早々と私に近付き、河合くんから離れさせようと私を抱き留める。

「映夕、俺。映夕の王子様になれる?俺にチョコ渡して…ほしい」

「静くん……。そのね、私チョコ2つあるの」

「ええっ、映夕がチョコ貰ったの?」

静くんは猫のように悲しげに目尻を下げ、私を見つめる。

「ううん、私、本当は静くんに渡すチョコ持ってたの」

私は言ってしまっていた。そして、私は静くんの腕から突き放し、カバンから静くんに命令されたチョコの箱では無いバラの刺繍のされた箱を取り出す。
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