DEAR 2nd 〜Life〜





「───へへっ…。」





メールを見て、ちょっと口がニヤけちゃう。




……最近、前に進めてるかもしれないな。



……今までは、ずっとぶんちゃんを引きずってた事もあったし。




自分が高校生って事で、

朝岡さんが妙に大人びて見えて、何だか近付けない壁みたいなのが自分の中にあったんだけど。






───…今じゃ自分も大学生。





もう、朝岡さんとしっかり向き合えそうだ。






「───××でございます。お降りのお客様は──…」







────よーしっ!!★





こうなったら大学生活も恋愛も!



気分新たに頑張るぞーっ!!!!★






「♪♪」







───満員電車から降り、射してくる朝の光。





……それが希望と期待に満ちた光に見えて仕方なかった。





ただ眩しくて眩しくて眩しくて──……






─────……







ここから一気に転んでいくなんて



ここから一気に堕ちていくなんて




そんなこと───……






あの頃のあたしは、これっぽっちも疑っていなかったね。






きっと、待ち侘びていた楽しい毎日が始まるんだと




いつか、朝岡さんと一緒に肩を並べて歩いて行くんだと。






ただただ……





そんな綺麗な夢を描いていたあの頃───……。







───桜井 彩。





大学一年生。






……新たな始まり。



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