DEAR 2nd 〜Life〜




さっきまでゆっくりだった脈が急に加速し出して





「…………」




ベッドの上、体を硬直させながらギュッとクッションを握りしめていると





「───…そのままベッド使っていいよ。


俺こっちのソファで寝るし。」






────スタスタ…





朝岡さんはあたしの頭をもう一度撫で、ソファに行ってしまった。





「…………」





───あれ……






「───…電気消すな?」





「……あ、うん……」







────パチッ…





スタンドライトも光を消し、真っ暗な視界。







「彩、おやすみ。」





「……おやすみ……」








────………







……考え過ぎ……かぁ。





一人で期待して、ちょっとバカみたい。





でもこれでいいの、これで。




我慢した分、幸せは何十倍って言うじゃない。





そうだよ、だから今は我慢。





────……





でも……








「……朝岡さん……」





「……ん……?」






ねぇ




でも







「────……





……寂しい───……っ」







矛盾してるって分かってるよ





でもこんな同じ空間





近い距離にあなたがいるのに、遠くに感じて





手を伸ばせば届く距離なのに、届かなくて







何だかとても



もどかしくて












─────ギシッ……










「────…あのさ……





一応これでも我慢してるからさ……?





頼むからそんな……






“寂しい”とか誘うような事言わんといてよ……





簡単に誘われるやん……」







────………






……そうやって。





“寂しい”と急にワガママを言うあたしを抱き締めてくれた時。





感じたあなたの温もりに、また一つ愛しさを見つけた。






「……だって、急に真っ暗になったから。



…よくあるでしょ…?」





「……何それ」






───…あの時ね、あんな可愛くない事言って誤魔化したけど。





本当は、嬉しさのあまり涙目なあたしがいたんだよ。







「ほんまに俺が一緒に寝てえぇの?」




「いいよ♪じゃあ早速ベッドに境界線引こう♪」




「……何それ……」






そう笑い、朝岡さんはベッドに入って来た。




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