DEAR 2nd 〜Life〜
二人して同じベッドに潜った夜。
寂しいとは言ったものの、やっぱり気恥ずかしい。
「……狭い?」
「んー、狭いけどくっついたらそうでもないやろ♪」
「───…え?
────きゃっ…」
─────ギュッ。
予告なしに抱き締められ、ドキマギしながらも
「……もう……」
特に何も抵抗せず、そのままスッポリと朝岡さんの胸に収まった。
────ドキドキ……
広い胸に包まれた時に香る匂いが、狭い胸をより狭くする。
「……あったかい……」
ずっと憧れていた朝岡さんの胸は、想像以上に広くて温かくて優しくて──……
「……彩もあったかいよ。」
包容力ゆえの心地よさと安心感に、早まった心音はだんだんゆっくり落ち着いていく。
「───……あ。
そういや、彩は明日何時から学校?」
「……えっと……
二限からだから10時半からかな……」
「よかった。俺も三限からやから一緒に行けるな。
送っていくから。」
「……ありがとう。」
───そうだ。
明日頑張ればいよいよ──……
「───ねぇ朝岡さん。
日曜日のデートさ、どこ──……」
「─────………」
…………
ありゃ……?
「……寝てる……。」
──…なんか普通逆なような……。
……でも……
課題の作曲まで頑張ってたもんね……。
「────……」
朝岡さんは静かに寝息を立てて眠りについていた。
「───…かわいい…」
初めて見る寝顔に、また微笑みが零れる。
普段の朝岡さんはかっこいいけど、こうやって寝てる無防備な朝岡さんはかわいい。
………どっちの朝岡さんも好きだなぁ……。
「───……おやすみ…」
────ギュッ…。
寝ながらも抱き締めてくれているその腕を、そっと握り返した。
ずっと離したくないと。
ずっと手放さないと。
────思っていた。
思って………
いたのに───……。
もう
既に狂い始めていた歯車の動きを止められなかった。