DEAR 2nd 〜Life〜
「……多分どっかでまだ好きなんだよね、マキ……。
何かいきなりごめんね?
彩ならこの気持ち、分かってくれるかなぁって思ってさ……。」
「…………マキ……」
「───…へへっ。
いつまでも未練引きずってないで、新しい恋しなきゃね!!
ごめんね、聞いてくれてありがとう♪」
────ニコッ♪
マキは明るく笑い、荷物を持ち直して前を歩き始めた。
「───………」
……マキ……
あたしは───……
時間が解決してくれる事を知っている。
……それを実際に体験したから。
────…約一年。
“時間が掛かった”って言うのか
それとも、“案外掛からなかった”って言うのか……
イマイチ、判断の基準は分からないけど。
“乗り越える”、というよりは自然治癒だろう。
そうさせてくれたのは時間だったり
自分の中での葛藤だったり
気持ちの整理だったり
───…朝岡さん……
だったり………。
そんな様々な要因が絡まって、やっとここまで辿り着けた。
あたしの場合はそうだったけど、人が前に進む瞬間は人それぞれだ。
人が前に進むか進まないか、それを決めるのも自分次第。
その選択が間違っているか間違っていないかなんて、これもまたその人自身が導き出す答えだから。
──…だからこそ、あたしは今のマキに何を言ったらいいか分からなかった。
もちろん、今のように話を聞いてあげる事は出来るけど。
それでモヤモヤや、胸の引っ掛かりが少しでも消えるなら、何回でも話を聞いてあげたい。
───けれど、“その先”は。
マキ自身に委ねられているだろうから………。
「────……」
やっぱあたしって無力だな。
力になりたい、なんてデカイ事掲げてたくせに。
……微力にもなれない。
「────…はぁっ…」
─────カタン。
難しい溜め息を吐きつつ席に着くと、ちょうど心理学の授業が始まり
「───…1、2、3、4……
………あら?
───桜井さん?」
「────えっ?」
───…あたし?
先生が教壇にあるレポートを数えながら、あたしの名前を呼んだ。