DEAR 2nd 〜Life〜
「────…愛美ちゃん、みんなに紹介するから前に出てきてくれる?」
「あっ、はい!」
店長に手招きされ、あたしは緊張のピークを迎えながら前へと歩み出た。
────ザワッ……
「新しい子入ってきたんだ?」
「美月ちゃんの友達らしいよー。」
「へー!!あの美月ちゃんの!?」
────う……。
女の子の囁きと注目を浴び、あたしは慣れないヒールを鳴らしてやっと店長の元へ辿り着いた。
「───…えー、みんな注目。」
キャスト全員がズラッと勢揃いする絵は、さすが圧巻だ。
「気付いてると思うが、今日から入店の“愛美”さんだ。みんな仲良くやってくれ。」
「───愛美です。
今日から宜しくお願いします。」
────パチパチ…。
流れのままにペコリと頭を下げると、キャストの拍手が返ってきて。
────はーっ……
まるで今まで息が止まっていたかのように、深く息を吸い込んで戻った瞬間。
「───…では続いて今月の成績を発表します。」
─────ザワッ!
伊達店長のこの一言で、女の子達はキッと目の色を変えた。
え、何なに!?!?
みんな怖い………
「───…まずは10位から。
10位は萌。おめでとう。」
────パチパチ…
10位から順に順位と名前が発表され、キャストの拍手が繰り返される。
「───…3位は…」
順位が上がっていく程に、女の子の気迫が伝わってくる。
───す、すごい……
その気迫にただ圧倒されていると
「──…そして1位は──…」
─────…シーン…。
伊達店長が一瞬だけ神妙な間を置き
「────今月のナンバーワンは
─────美月!
おめでとう!」
「─────!?!?!?」
み、美月が!?!?!?
な、ナンバーワン~~~~~~~~!?!?!?
─────パチパチパチパチ…!
称賛の拍手と声に付いていけないのは、多分あたしだけ。
「…あはは、実はそういう事~。
隠しててごめんよ。」
美月はニコッと微笑み、あたしに舌をペロッと出しておどけた。